「毎日温泉に入る人はうつになりにくい」。九州大学の研究チームが大分県別府市の高齢者を対象にした調査で明らかになり、イギリスの医学雑誌に掲載されました。

九州大学の研究チームは別府市の高齢者1万人以上を対象に温泉の利用状況と病歴についてデータ分析を実施しました。その結果、毎日温泉に入る人は入らない人に比べてうつの発症を4割近く抑えることが統計的に確認され、研究成果としてイギリスの医学雑誌に掲載されました。

(九州大学病院別府病院免疫・血液・代謝内科 山崎聡講師)「いろんな要因はあると思うが温泉に行くと人との接触もあるのでそういうところでもしかするといろんな精神の落ち込みとかを回復させた可能性がある」

また、就寝前となる午後7時以降に温泉に入ることで高血圧を抑制することも統計的に確認され、こちらもイギリスの医学雑誌に掲載されました。うつと高血圧の双方の抑制に、温熱効果による睡眠の質の向上が関係している可能性があるといいます。

(九州大学病院別府病院免疫・血液・代謝内科 山崎聡講師)「しっかり入浴すると血圧が下がるというのはかなり実験的データもある。理由は睡眠の質が上がるから」

――温泉がいいのか、入浴がいいのか、解釈は?

(九州大学病院別府病院免疫・血液・代謝内科 山崎聡講師)「温泉に関しては熱効果が高い。短時間でもしっかり深部の熱が上がるので温熱効果が出やすいというのもあると思う」