
オムライスに欠かせない大量の卵。
この店では、いったいどのように確保しているのでしょうか。
レストランのすぐ脇にある倉庫に積まれているのは、県外からけさ仕入れたばかりの卵です。
実は、レストランを運営するこの会社の本業は卵の卸売業。
石川県などから1日4~5トンの卵を仕入れ、諏訪地域の小売店や飲食店、学校や病院などに卸しています。
(名取剛社長)「何とか取引先に鳥インフルが出ていないので何とかなっているんですけど、卵ないですかと同業者から引き合いはある」
それでも、全国的な相場の高騰に伴い、仕入れ価格は2022年に比べ1か月に300万円以上も上昇。
卸先への輸送コストも前の年に比べ1.5倍ほどかかっていますが、全てを卸値に転嫁できず、採算が取れない状況だといいます。
卸売で利益を期待できない中、この会社が力を入れているのが…。
卵を使った加工品の製造販売です。
レストランだけでなく、菓子店も併設し、卵を使ったスイーツを製造販売しています。
仕入れたての卵を使ってすぐ隣の厨房で作られる焼き菓子やプリンは大人気。
一般の菓子店に比べ、仕入れのコストを抑えることができ、鮮度のいい卵を使っている点が店の売りです。

「加工では付加価値をプラスできますのでそちらで頑張って何とか今年を乗り切ろうと思っております」
小麦粉やバターなど、ほかの材料も値上がりしているため、商品の価格は全体で15%ほど上げましたが、平日も客足が絶えない人気店です。
「卸しだけだと難しかったと思う、リスクが分散できる分今は助かっている」

卵の卸売団体によりますと、この先しばらくは高値が続くと予想されていて、今後も知恵を絞りながらの経営が続きそうです。