女性も避妊の選択を主体的にできるために、コンドーム関連の新商品を開発した大学生の女性がいます。彼女が目指すのは「性別にとらわれない社会の実現」、その夢への第一歩となる商品に込めた想いを聞きました。
(取材:tbcアナウンサー大久保悠)
大学の卒業制作プロジェクトで開発したコンドーム商品
東北芸工大4年 早坂緋奈乃さん:「性行為の機会がない、あるいは少ない女性やその年代の子どものいる保護者向けに考えました」

そう語るのは、東北芸術工科大学 デザイン工学部企画構想学科4年の早坂緋奈乃さん(22)です。
彼女が、卒業制作のプロジェクトとして今回開発したのが、お守り型のコンドーム入れ「COMAMORI(こまもり)」と、性交渉のメッセージシールが付いた「comamo(こまも)」。大阪府堺市にあるコンドーム専門メーカー「中西ゴム工業」との共同開発です。
お守り型の商品の中にはコンドームが1つと取り扱い説明書が入っています。

東北芸工大4年 早坂緋奈乃さん:「学業成就などのお守りは持っているだけで心強いと感じる。避妊に関してもそういった思いを重ねて作りました」
また、手に取りやすい明るいデザインのイラストが描かれたパッケージの「comamo」は、恋愛の延長上に性行為があると捉えている女性向けにデザインされたもの。手に取りやすさに加え、できるだけバッグに入れておけるようにと箱ではなく持ち運び安さにこだわったと話す早坂さん。

東北芸工大4年 早坂緋奈乃さん:「コンドーム交渉ができないというのが女の子たちにとって大きな課題になっている。実際に5人に1人がコンドームを着けてと言いづらいというデータがあった。そういった女の子たちが、実際にどうやって自分で避妊ができるかと考えた結果、恋愛を妨げないようなメッセージを送れるようにすることで、コンドーム交渉の敷居を下げられるのではないかと思いました」
友人や家族との間でも、これまで性や避妊についての話をする機会は、ほとんどなかったという早坂さん。実際に最初に卒業制作のテーマを発表した時は、教授を始め学生たちからも「本当にこのテーマでいくのか…」という雰囲気を感じたといいます。
それでも「避妊をテーマにする」と決めたのには理由がありました。