「100人の大宴会」が消えた…
東京商工リサーチによると、2026年上半期の飲食店倒産件数は過去最多ペースを更新し続けている。原材料費・人件費の高騰が要因と叫ばれるが、実はその水面下で、日本の「食と夜の社会構造」を根底から揺るがす地殻変動が起きていた。

「うを清」のような大型料亭・割烹を長年支えてきたのは、数十人から100人規模で開かれる企業の歓送迎会や忘新年会、政財界の大型宴会だった。しかし、コロナ禍を経て日本人の働き方と価値観は一変する。
若手社員を中心とする「タイパ(タイムパフォーマンス)重視」の浸透や、コンプライアンス遵守に伴う「アルハラ防止」の徹底である。
「職場の上司とお酒を飲む時間はタイパが悪い」「強制参加の宴会はハラスメントになりかねない」――こうした価値観のシフトにより、企業が「宴会予算」そのものを縮小・撤廃する動きが加速度的に広まった。
大所帯の板前や接客スタッフを抱え、広い畳敷きの宴会場を維持しなければならない老舗料亭にとって、「大人数での宴会需要の消失」は経営の首を直接絞めるボディブローとなったのだ。














