英検を替え玉受験し、入試で悪用した罪に問われた元塾講師の男に対し、執行猶予付きの有罪判決です。

判決によりますと個別指導塾の元塾講師・野口瑞希被告(35)はトライ天王寺駅前校で講師をしていた去年9月、教え子になりすまして英検2級を受験。

合格したスコアを近畿大学の入試で使い、業務を妨害するなどしました。

野口被告は英検の受験を名前は教え子、顔写真は自身のもので行い、会場では顔写真のない本人確認証を提示。

そして近大の入試ではなりすましがばれないように、自身の顔写真と教え子の顔写真をAIで合成し、2人の顔の特徴を組み合わせた加工写真を提出。

英検側も近大側もなりすましに気付けず、入学後に学生証の顔写真を見た教え子の家族が気づき、替え玉受験が発覚しました。

これまでの裁判で野口被告は「指導するより自分が英検を受けたほうが手っ取り早いと考えた」と起訴内容を認め、「早く合格させることで業務量を減らせるという安易な考えがあった」「塾の講師として3年間ほぼ休みがなかった」と主張。

検察側は替え玉とは別に複数の教え子の英検の回答を改ざんする不正を繰り返していたと指摘。

「本来合格すべき他の受験生の人生を狂わせ、制度の根幹を揺るがす犯行で悪質」として拘禁刑2年を求刑していました。

1日の判決で、大阪地裁の鈴木真里子裁判官は「英語検定や大学入試の公正が害されただけでなく、各機関に本来必要のない多数の業務を余儀なくさせており、被害結果は重い」と厳しく非難しました。

また、「以前から試験官の立場を悪用し、マークシートの回答を差し替える不正を重ねていた。それをエスカレートさせたもので、規範意識は低い」と指摘。動機についても「生徒を早く合格させて自身の業務負担を軽減しようと考えたのは、あまりに身勝手かつ短絡的で、酌量の余地はない」と断じました。

一方で、「罪を認めて反省している」などとして、野口被告に拘禁刑2年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。