そんな幸夫さんの地元であり会社もある熊本県山鹿市は、自然豊かな温泉地で農業が盛んな中山間部です。ただ近年は人口減少や高齢化が進んでいて、このままだと主な産業である農業の担い手がいなくなってしまうのではないかと危惧を抱くようになりました。
市原幸夫さん(20年前)
「一次産業(生産)がなくなれば、二次(加工)・三次(販売)もなくなる。だったらすべてやろう!」
そこで白羽の矢が立ったのが幸生さんの3人の息子さんたちです。元々は東京にいたんですが続々と地元に帰ってきました。
まず最初に帰ってきたのが、長男の邦彦さん(37)。今では2次産業の加工を担当していて、お父さんのアイス工場で勤めています。オーダーメイドアイスの事業を展開したり、営業広報として販路の拡大を行っているということです。
続いて、次男の伸生さん(35)は生産担当の農家です。アイスの材料となるクリやブドウなどを育てています。そして販売を担当しているのが、洋菓子店を運営している三男の勇生さん(33)です。アイスの販売、そして地場産品のスイーツを開発して販売しています。
この3人が東京で何をしていたかというと、長男の邦彦さんは金融機関、次男の伸生さんは青果店で勤務。大学では農業も学んでいたということです。三男の勇生さんは都内トップクラスのレストランでパティシエをしていました。
井上貴博キャスター:
毛利元就も筆まめで、子どもたちが意思疎通できるようにしていたのも有名ですけど。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
家族経営っていうとマイナスのイメージで語られることも多いかなって思うんですけど、むしろ理想的に機能すればこういう形もあり得るといますし、何より、お父さまは嬉しいだろうなと。ちなみに毛利元就は3人って言っていますけど子ども13人いますからね。
市原幸夫さん
「よく言われるんですが、歴史に疎くて…。息子たちには好きな道を歩ませてきた。たまたま私のやりたいことに賛同してくれてただけです」
――これからの目標について
市原幸夫さん
「現在、息子の奥さんたちも運営に参加。将来は9人の孫にも参加してほしい。今後は家族・地元の人たち一丸となて、山鹿市を盛り上げていきたい」
