東京電力ホールディングスが電気料金の値上げ幅を算定する際に、10月に7号機を再稼働すると想定したことについて、柏崎刈羽原子力発電所の稲垣武之所長は26日の会見で「地域の信頼を回復するまでは再稼働はできない」と話し、慎重な姿勢を強調しました。

「柏崎刈羽原発の7号機は2023年10月から、6号機は2025年の4月から再稼働する」という想定は、東京電力ホールディングスが1月23日に電気料金の値上げを発表する際に、値上げ幅を算定するための前提条件として明らかにしたものです。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之所長】「高騰する燃料価格や市場価格の、影響のすべてをお客さまには転嫁できない、という考えのもとで算定した」


17日に花角知事と面会した東京電力の小林喜光会長は、報道陣の取材にこう答えていました。

【東京電力 小林喜光会長】「今、再稼働の時期を明確に言うこと自体が、むしろ信頼に傷がつくのではないか」


その6日後に柏崎刈羽原発の再稼働前提の料金案が発表されたことについて、会見では記者から厳しい指摘が相次ぎました。

【記者】
「首都圏の顧客向けと、こちらの地元と、相手によって言うことを変えている。“二枚舌”とも…」
「再稼働を織り込んでこの値段に抑えたと言われると、地元にしてみれば原発再稼働を“人質”に取られているような気持ちがしてしまうのでは…」

【柏崎刈羽原発 稲垣武之所長】「再稼働時期は料金算定上の仮定なので、そこは企業としての判断。地元の信頼を頂戴するまでは、『再稼働の“サ”の字も申し上げません』と約束している」

稲垣所長は「説明会などで地元の不安に真摯に対応していく」と話し、改めて慎重な姿勢を強調しました。