岡山市中心部を走る「路面電車のレールの上にダンプカーを走らせる」実証実験が、昨夜(25日)行なわれました。将来、路線バスを路面電車と同じ軌道で走らせられないか。車両開発を見据えた取り組みです。

(小寺健太記者 リポート)「道路と軌道上の両方を走れるこの車両を使って、将来の路面電車のあり方についての実証実験が行われます」

実験に使われたのは「軌陸車(きりくしゃ)」と呼ばれる特殊車両です。
前後のタイヤの後ろにある車輪を下げれば、「線路の上を自走できる車両」に変身します。

(両備グループ 小嶋 光信 代表)「『電車からバスになって走れる』という、この『デュアルモードの交通』は可能性が無限大にある。『電車の定時制』と、郊外に出る場合はバスになって簡便に走れる」
両備グループが目指すのは、軌道を走れるバス車両の開発です。「バスの定時運行」のほか、「路面電車の延伸・環状化計画」への応用の可能性も秘めています。

岡山市と協議を進める「路面電車の延伸・環状化計画」は、現在7つの路線が案としてあがっています。ただ、全ての路線を整備するには100億円以上が見込まれるため、軌道の必要がない車両の開発は、コスト削減や実現へのきっかけにもつながると考えています。

実証実験では、軌陸車がカーブで脱輪せず曲がり切れるかや、道路と軌道の切り替えにかかる時間などを確認しました。

(両備グループ 小嶋 光信 代表)「貨物用の車両で調べたので、旅客用として振動や乗り心地などの課題は検証していかないといけない、といけないと思っています」
「公共交通の可能性を広げよう」、という取り組みです。両備グループでは、3年から5年後の導入を目指し、新型車両の開発を進めるとしています。