危険度の把握には「浸水キキクル」「大雨キキクル」を
気象解説情報や時系列情報では、事前に警報級の大雨の予測も警告も特になかった「千葉豪雨」。情報面で第2・第3の「千葉豪雨」に対応する有効な手立てはないのだろうか。
筆者は、大雨による浸水の危険度を把握するには、現状ではやはり「浸水キキクル」に最も期待している。
8月13日午後5時から午後8時までの「浸水キキクル」を以下に示す。キキクルは本来10分毎に更新されるが、紙幅の都合上、1時間毎のものを掲載した。
午後5時の時点では、県の北西端、東京都や埼玉県との境界付近に赤(レベル3相当)や紫(レベル4相当)が出ている一方、東京湾に接する千葉市付近は黄(レベル2相当)がチラホラ見える程度。
ところが午後6時になると、柏市付近に小さな黒マス(■=レベル5相当)が出現。千葉市付近など東京湾奥の沿岸には紫が一気に広がる。午後7時、レベル5大雨特別警報の発表30分前には紫・黒ともに範囲が拡大。午後8時、県北西部の多くが黒に染まった。
キキクルは、災害発生の危険度の分布を、実際の観測値(実況)と予測値の双方をもとに地図上に色で表示する。河川の氾濫の危険度を示す「洪水キキクル」と重ね合わせられる「大雨キキクル」は、一層実用的だ。色分けは1㎞四方毎と細かいので、できれば市町村単位で発表される警報や注意報の発表状況と照らし合わせながら見ることをお勧めする。
「千葉豪雨」を生んだ「スコールライン型」
気象研究所の解析によると、「千葉豪雨」は、冷たい空気の層(冷気層)が積乱雲を発達させて激しい雨をもたらす「スコールライン型」と呼ばれるメカニズムにより発生した。
通常、「スコールライン型」は速く移動するが、「千葉豪雨」では東方向に進む冷気層と西方向に進む暖かく湿った空気がぶつかり合って停滞。それにより急発達した積乱雲は高度15㎞の高さにまで到達し、線状降水帯を発生させてほぼ同じ場所に激しい雨を降らせ続けた。単位時間あたりの降水量が多くなったことで、平年の8月1か月分の降水量を12時間で上回る、千葉観測点のようなところも出現した。














