「注意」から「厳重警戒」に一変

前述のとおり、千葉県の天候は8月13日夕方頃から急速に悪化し、14日未明にかけて広範囲に「レベル5大雨特別警報」と「レベル5土砂災害特別警報」が発表されたのをはじめ、「記録的短時間大雨」「線状降水帯直前予測」「線状降水帯発生」が繰り返し発表された。

けれども13日夕方までの間、「千葉豪雨」の発生をあらかじめ予感させるような情報が出ることはなかった。

13日午前6時30分発表の千葉県気象解説情報第9号には「13日夜遅くにかけて、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、北東部と南部では、土砂災害に注意・警戒してください。」と書かれてはいるが(図-3)、文面から危機感の高さはあまり感じられない。なぜなら「注意・警戒して」という「注意」が「警戒」よりも先に来る表現は、警報級の現象のおそれがある場合にはほとんど使われず、ストレートに「警戒して」か、危険度がより高ければ「厳重に警戒して」と書くのが通例だからだ。

ところが午後5時12分発表の気象解説情報第10号では、気象状況の急変を踏まえて呼びかけが「厳重に警戒して」に一変した。

8月13日午前6時30分発表の千葉県気象解説情報第9号(気象庁公式ホームページより)
8月13日午後5時12分発表の千葉県気象解説情報第10号(気象庁公式ホームページより)

また、今年新設されたばかりの、翌日までに警報や注意報の基準を超える現象や情報の発表が見込まれる時間帯を示す「時系列情報」からも、「千葉豪雨」の可能性を見て取ることはできなかった。こうして特に事前の警告が発せられることなく、千葉県はそれまでに経験したことのないような記録的な豪雨に見舞われたのだ。