日本で初めての被害調査――

すぐに雨戸をあけようとしたが、揺れのためまったく開けることができなかった。数分して少し揺れが収まったので精一杯の力を出してやっと一枚の雨戸を引き入れることができた。庭に飛び降り、耳をすませて遠くを見れば、親は幼子を呼び、子どもは親を慕う呼び声が多くこだました。

明治22年は大日本帝国憲法の発布、市制町村制が施行され、熊本市が誕生した年です。地震の1か月ほど前まで長雨が続き、熊本県の各地で水害が起きていました。ようやく天気が回復したところに大きな地震が襲ったのです。

そして、日本で初めて、詳細な地震被害調査が行われました。

出典 国立国会図書館デジタルコレクション

熊本市で死者21人、全壊家屋256棟、熊本市民の住宅損害額の合計は3万466円と推計されました。当時の熊本市の歳出が2万4000円ほどだったことからも、被害が甚大だったことがうかがえます。