五輪メダリストの教え
Q.16歳で史上最年少代表になり「天才」と脚光を浴びた時期を今振り返ると?
園田:当時はやっぱり勢いもあったなと思いますし、競技を始めて3〜4年であそこまで行けたのは、指導してくださった方々や周りの皆さんへの感謝しかないです。そして、何よりあの頃がむしゃらに頑張れた自分自身もすごかったなと振り返って思います。
Q.そこから東京、パリと2度の五輪を逃す悔しい経験もされました。
園田:出られなかったことは本当に悔しいですが、若いうちにそういう大きな挫折を経験できたのは、今の自分にとって間違いなく強みになっています。その悔しさをバネにもっと経験を積み、ロサンゼルスオリンピックでは出場を果たして「強い自分」を見せたいです。社会人になってから、学生時代に比べて点数の安定性も確実に上がってきているので、この精度を保ったまま、まずは国としての枠を取り、最終選考でその枠を自分のものにできたら一番良いなと思っています。

Q.大学4年の終わり(社会人直前)から、ロンドン五輪銅メダリストの早川漣さんがコーチに就かれました。指導を受けて一番変わった部分はどこですか?
園田:試合への臨み方や向き合い方がすごく変わりました。これまでは練習と試合で打ち方が違っている自覚はあっても、具体的に「何が違うのか」が自分では全く分からなくて..。そうすると試合で波が出てミスに繋がっていたんです。でも、早川さんに見ていただくようになってから、「今試合でこうなっているけど、それって何か意味があるの?」と問いかけてもらえるようになりました。そこで初めて「自分って試合になるとこうなっていたんだ」と客観的に気づくことができ、練習通りのフォームで試合に挑めるようになって確実にミスが減りました。
Q.緊張からフォームが変わっていたのでしょうか?
園田:緊張もありますし、周りの目を気にしていた部分もありました。社会人になって会社の方々が応援に来てくださるようになり、ありがたい反面、最初は緊張感が増してしまって。練習では大きく顎の横まで引けているのに、試合になると手が手前に来てしまったりしていたんです。それを動画で見せてもらいながら「ほら、ここが違うよね」と指導していただけるので、頭で理解して修正できるようになりました。憧れのオリンピアンである早川さんのやり方でやっていれば、着実にオリンピックへ近づけるという実感があるので、すごくありがたいです。
Q.いつも一番近くで支えてくれているご家族は、どんな存在ですか?
園田:メンタル面での支えとして本当に大きいです。困ったことや心配事があるときに電話をすると絶対に取って聞いてくれますし、どんなときでも一番の味方でいてくれます。自分がうまくいっていても、いかなくても、ありのままを認めてくれる存在です。
Q.アジア大会そしてロス五輪枠獲得への意気込みをお願いします。
園田:アジア大会では女子団体での金メダル獲得を目指します。絶対にメダルを取れるという自信があるので、そのパフォーマンスを皆さんにお見せしたいです。また、混合(ミックス)団体戦は自分でも得意な種目だと思っていますし、男子代表も素晴らしい選手が揃っているので、日本チームにはすごくチャンスがあると感じています。自分のやるべきことに集中してしっかり10点を決め、金メダルを獲得して、ロサンゼルス五輪の出場枠を日本に持ち帰りたいです。
【愛知・名古屋アジア大会でのロサンゼルス五輪出場枠獲得の条件】
■リカーブ部門
混合(ミックス)団体: 優勝(男女各1枠を獲得)
男女個人戦: 成績最上位(上位2人以内)の国・地域(男女最大各1枠)
※すでに枠を獲得している国・地域を除く
競技日程:9月26日 ~ 10月3日
会場:岡崎中央総合公園多目的広場
◆園田稚(そのだ わか)
2002年4月23日生まれ大分県別府市出身
早稲田大学卒業・デンソーソリューション所属。母の勧めで中学1年で競技を始め、中学3年で上京しJOCエリートアカデミーに入校。16歳で史上最年少の日本代表に選出された。2019年世界ユース選手権で個人銀・混合銅メダルを獲得するも、2020年東京五輪選考は落選。2021年に早稲田大学へ進学し、翌年デンソーソリューションと学生初のスポンサー契約を締結。2024年のパリ五輪国内選考会を1位通過するも本大会出場は叶わなかったが、直後のワールドカップ第3戦で混合金・個人銀・団体銅メダルを獲得。日本女子史上2人目となるW杯ファイナル(6位)進出を決めた。2025年にデンソーソリューションへ入社し、同年のワールドユニバーシティゲームズで女子団体金・混合団体銀を獲得。勢いそのままに2026年愛知・名古屋アジア大会の代表入りを果たした。

















