日本全国、誰でも行きたいところとは
では、泊まりがけで国内旅行するとして、あなたならどこに行ってみたいですか。「せっかく泊まりがけなんだから、それなりに遠出をしたい」「当然ふだん行けないところに行きたい」など、思いはいろいろ膨らみそう。
そして、どこに行きたいかは、どこに住んでいるかで当然変わってくるのではないでしょうか。
それをデータで確かめようと思ったら、ここでもTBS生活DATAライブラリ定例全国調査の出番。
調査には、実に84個もの選択肢から「日本の土地の中で、あなたが今後行ってみたいところ」をいくつでも選んでもらう質問があります。「全国」調査なので日本各地の人々がこの質問に回答しており、「どこに住んでいる人が、どこに行ってみたいのか」を明らかにするには、これ以上うってつけのデータはないという代物。
そこで、全国を「北海道・東北」「首都圏」「中部(甲信越・北陸・東海)」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」の6地区に分け、それぞれの地区ごとに「行きたい日本の土地」ベスト7をまとめてみると、次の横棒グラフのようになりました。

グラフの色は、北海道など北の土地が青、沖縄など南の島が赤、京都・鎌倉などの古都が緑、東京ディズニーリゾート(TDR)やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などのテーマパークがオレンジです。
結果は、北海道・東北以外の5地区のトップが「札幌・小樽」で、「函館・大沼」も4位か5位にランクイン。さすがに地元には行きたがらないかと思いきや、「札幌・小樽」は北海道・東北でも6位にランクイン。
一方、北海道・東北では「沖縄本島」がトップで、2位は「宮古・石垣島・沖縄離島」。この2つは、九州・沖縄以外では2位と3位にランクイン。首都圏と近畿の東西2大都市圏では「種子島・屋久島・奄美大島」も7位に食い込むという南の島の人気ぶり。
北と南の強豪に続くのが、東はTDR、西はUSJのテーマパーク勢。さすがに首都圏ではTDRが、近畿ではUSJが日帰り可能なこともあってかランク外ですが、他の4地区では2つともランクイン。
歴史ある古都の京都と鎌倉も、テーマパーク勢同様、首都圏では鎌倉が、近畿では京都がランク外。北海道・東北では2つともランクインしていますが、中部、中国・四国、九州・沖縄では京都のみランクイン。古都枠では、京都が全国ブランドとして優位な様子。
ところで、このグラフをみて気づくのは、選択肢が84個もあるのに、全国6地区のどこでも、行きたいところはほとんど同じということ。
海外旅行は80年代に火がつきましたが、国内旅行に火をつけたのは、70年開始の旧国鉄「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンあたりでしょうか。これにハマったのもアンノン族の若い女性たちですが、それから半世紀。日本の各地があの手この手でご当地の魅力を日々アピール中。グラフでランクインした場所は、他にない強い魅力をうまく全国にアピールするマーケティング戦略が、他より成功しているのかも。
マーケティング戦略の成功には、テレビを始めとするメディアをうまく使うことも必要。しかし「旅行ならあそこがオススメ」という情報が日本全国に画一的に広まっているだけなら、ちょっとつまらない感じ。
グラフに表れるほどまとまった支持は集めていないマイナーな場所ながら、知る人ぞ知る名所が日本各地にあるはず。オーバーツーリズムに煩わされず、その土地の魅力が愛されていることだろうと想像します。














