「練習で400mは走らない」人体の限界に挑む過酷な決意

取材の最後、石川にはどうしても気になっていることがあった。

「初めて練習を見てびっくりしたのが、400mを走らないこと。今日はやらないんですか?」と尋ねる石川に、中島は「しないです。練習で400mは絶対に走らないです。キツすぎるので、走るなら絶対試合」と明かした。

400mは全速力で走れる限界とされる40秒を超えて競うため、「究極の無酸素運動」と呼ばれ、陸上競技で最も過酷と言われる。特にラスト100mは乳酸が蓄積し、鉛のように重くなる体を精神力で動かすハードな種目だ。そのため、普段の練習では150mや250mほどの距離にとどめているという。

「試合の時にいきなり400m走ると、ペース配分とか不安になりませんか?」と心配する石川に、中島は「言われてみればなんで心配にならないんだろうって感じなんですけど、結局最後は『行ってこい』みたいなところはあります」と笑った。

人体の限界に挑む過酷な競技で、最後は精神力の勝負となる400m。2人の恩師と二人三脚で培った絆と走りを武器に、中島はアジアの頂点を目指して新たなスタートを切る。

(TBSテレビ「バース・デイ」2026年8月29日放送より)