“世界のトップに入る”ために前半からのスピード強化
東京世界陸上でラストスパートで脅威の追い上げを見せた中島が今、力を入れているのは、前半からのスピードアップ。強化の一環として、200mのレースにも出場していると話す。
石川さん:世界陸上が終わった後に、さらにもう一歩上のレベルに上がるために、自在にレースを、前半でスピードを出して。後半も速いけど、さらに(スタートから200m付近までの)前半で勢いを出すということを伸ばしていきたいというのをおっしゃっていましたけど、そのために今ってどんな練習をされてるんですか?
中島:自分の苦手なスタートの部分を改善するっていうところとかもそうですし、割と後半に関しては結構自信あるので、持久系の部分っていうところはもう一旦置いておいて、スピードであったり、動き作りのところをどんどん固めていって。やっぱり前半型のレースにするためには、最初のスタートからスムーズに出て、高いスピードで200mを通過する必要があるので、そういったスピードの部分、自分が苦手なスピードの部分っていうのを中心的に取り組んでます。
東洋大学時代から中島を指導し、世界に押し上げた東洋大学の梶原道明総監督にも石川さんは話を聞いた。
石川さん:東京の世界陸上で大活躍でしたけども、その要因は。
梶原総監督:トップ(スピード)よりもちょっと下のところのスピードを維持する能力っていうのが高い。日本の中でトップにはいたんですけど、でもそれだと世界の中ではどうしても遅れてしまうので、そのペースはあえて乱さないで、前半もうちょっとスピード出して行けるようにならないかなと。スピードを出すトレーニング、力をもっとうまく使うためのトレーニングを、(去年の)7月から8月いっぱい、だいぶやったんですよ、そういう基礎トレーニングを。それで地面の力を効率よく伝えられるような動きが継続できるようになって、元々持っている能力がそれでより活かされて、前半はちょっと遅れ気味なんだけれども後半ぐーっと出てくるような、そういうようなレース展開の中で、ああいう結果になったかなと。
梶原総監督:ただ、あれからもう一つ上に上がっていくためには、前半からもう少し前のほうでレースが展開できるようにならないと、世界のトップの中にはなかなか入っていけないので。そうなるためのスピードは上げたいねっていうのが今年1年かけてスピードが上がる、あるいはスピードの上がる動きをきっちり作るっていうことが今年の狙い。やっぱり試行錯誤しながらなかなかうまく簡単にはいかないですけど。
石川さん:後半がすごく強いイメージがあって。でもさらに前半のスピードを上げて世界のトップへ。
梶原総監督:(中島なら)前半スピードを上げようと思えば上げられるんですよ。でもその分頑張らなきゃいけないから、そこまで頑張らなくてもいけるようにしたいねっていう。そうすると起こりがちなのが、力を出さないっていうことにテーマを置いてしまって、スピード出さなくなっちゃったりしてうまくいかないってことがあるんで。『絶対的にここのスピードは出そうよ』と。
石川さん:難しいですね、その力の調整が。
梶原総監督:なかなかニュートラルには人間はできないので。一歩一歩の中で誰もがブレーキをかける局面と加速をする局面、一歩の中で誰だってあるんだけれども。その中でブレーキをかける局面をできるだけ小さくできると、いいかなって。

















