「黙れ」「アホか」顔面ビンタと怒声の記録…退職願は床に投げ捨て

この動画が撮影される5~10分ほど前に、Xさんが暴力を受けた様子を録音したデータがある。

オンラインでインタビューに応じるXさん(37)

Xさんは午前中の休憩時間に、トイレに行きたくなった。トイレは寮にしかないが、休憩時間に寮に戻ることを前日に禁止されていた。

Xさんは我慢できなくなり、草むらで立ち小便をした。それを父親に目撃されていたのだ。以下は録音データ。

父親「お前さっきしょんべん、たれたべ」
長男「何!しょんべんたれた!」
父親「トイレ行くと言っていたのに、行かないで橋の下で小便したのを俺が見つけたべ」
Xさん「社長(父親)が休憩の時、寮に行かないでと言ったからです」
父親「寮に入ったらダメだというのは、いったん仕事に出てきたら寮に戻ることを禁止したんだ。前たち(寮の)中でタバコ吸って危ないからだ」
Xさん「私はタバコ吸いません」
長男「黙っていろ、黙れ」

父親「小便したんだべ」
Xさん「小便の意味はなんですか?」
長男「自分で調べろ、何言ってんのバカ野郎」
(叩く音)
長男「アホか」

Xさんは父親に人目につかない倉庫の陰に引っ張られ、突然ビンタされたという。何が起きたのか分からず呆然としたと話す。

Xさん「どうして私の顔をたたいたんですか、社長(父親)」
長男「アホなことするからだよ」

父親「仕事いけ!早く」
Xさん「したくないです」
長男「したくないなんて、ふざけたことを言うな」
Xさん「どうして私の顔をたたくんですか」
父親か長男「仕事しないからだべ、言ったこともわからん」

このあとも親子は「何もわからない」「黙って仕事すれ」「ふざけるな」といった罵声をXさんに浴びせ続け、前述した動画の場面につながる。

この日、退職願いを提出しに夕方、事務所を訪ねた。そこには父親と長男、次男がいたという。

Xさん(37)
「長男は退職願いを床に投げ捨てました。誰も拾わずそのまま床に落ちた状態になりました。私が『もう働きません』と言うと、次男が私の胸のあたりをグーで押して外に出しました。私が『私はもう働きたくありません』といったら、あごをつかまれて『働くんだよ』と言われ、無理やりその日は働かされました」

Xさんが働いていた畑(北海道京極町)