“痩せるゼリー”に危険な成分「シブトラミン」

「痩せるゼリー」には一体何が入っているのか。専門家に成分を調べてもらうと…。

日本分析化学専門学校 渡邉快記 教務部長
「赤い線がゼリーの成分。『ピーク』含まれているものが出てくる。シブトラミンの合成品の出てくる検出時間がゼリーの成分と同じ。シブトラミンが含まれているということがわかりました」

「シブトラミン」とは、食欲を抑制する医薬品成分。いわゆる“痩せ薬”だ。一方で心臓に悪影響を及ぼし、最悪の場合、死亡するリスクもある。アメリカでは一度、肥満治療薬として承認された。だが、54人が死亡し、販売が中止。日本でも販売は認められていない。

動画配信で「痩せるゼリー」を販売し、自慢のくびれを披露していた女性。違法な成分が含まれていることを知っていたのか。女性はちょうど動画配信中だった。ゼリーは知り合いのベトナム人に紹介されたという。

動画配信でゼリーを販売していた女性
「最初は『いい商品がある、めちゃくちゃ痩せる』と。食べたら全然入らない。(ベトナムの)フォーが。あれおかしいなと思って『これめちゃくちゃいいですね』と」

その後、体調を崩したが危険な成分が入っているとは知らなかったという。

動画配信でゼリーを販売していた女性
「はっきり言って騙されていましたね、ベトナム側から。『これはちゃんとした商品なんですか』と聞いたら『ちゃんとした商品です』と」

では、この女性にゼリーを紹介したベトナム人は…。

――分かっていて販売したんですか?

ゼリーを紹介したベトナム人の女性
「本当にわたしたちも分かりません。日本で私たちだけが売ってるんじゃない。いっぱい、いっぱい売っています。ベトナム人です」

在日ベトナム人の間では数年前から痩せる商品が売買されていたのだという。

こうした中、1月18日。この痩せるゼリーの販売を巡ってべトナム国籍の夫婦が逮捕された。

2022年3月頃からゼリーを販売していたとみられ、自宅からは例の「痩せる商品」が400箱以上押収された。ゼリーを販売していた女性はみな、名古屋市の会社から商品を仕入れていたという。その会社を訪ねてみると、既にもぬけの殻だった。

この会社を経営しているのは、「ボスN」と呼ばれるベトナム人の女性だ。問題のゼリーやチョコレートは「ボスN」がプロデュースしたもの。自身のSNSで、次のように宣伝している。

ゼリーやチョコを手掛けるボスN
「この商品を日本で販売して2年が経ちました。品質を保証する書類もそろっていますし、ゼリーやチョコを手掛ける。商品には絶対的な自信があります」

さらに、ボスNと日本人の男性が商品を宣伝するこんな動画も…。

痩せる商品を宣伝する日本人男性
「男性と日本からの最新の生産技術、フランス。これらの技術がベトナムに移転されるとき、ハーブがその安全の効果を促進するのを助けるために何度も利益をもたらすと確信しています」

不自然な日本語を話すこの男性に連絡してみると…。

痩せる商品を宣伝する日本人男性
「これはカンペを渡され、でたらめな日本語を適当に読むというだけのアルバイトです。日本人を出演させて、良いものだと信用させているようです」