今年に入り、政府や東京都が少子化対策を新たに打ち出しました。「望まない少子化」を止めるために必要なこととは?成田悠輔さんと一緒に考えます。

成田さんと考える少子化 「望まない少子化が問題」

小川彩佳キャスター:
日本における少子化の現状を見ていきます。

山本 恵里伽キャスター:
過去30年の出生数をみてみると、1990年には約122万人、その後徐々に下がり続けています。2021年は約81万人で過去最低となりましたが、さらに2022年は80万人を割り込む見通しです。想定を超えるペースで少子化が進んでいるんですね。

小川キャスター:
いよいよ大問題だ、まずいということで異次元の少子化対策をという訳ですけれども、成田さんはそもそもこの日本の「少子化」を問題と捉えていますか?

米・イェール大学助教授 成田悠輔さん:
もちろん、普通の経済とか国力みたいなものを考えると、それの一番の源泉は人じゃないですか。

人口が減ってるというのは国の衰退に繋がるという意味で問題であって、それは当たり前の話かなと思うんですよね。

小川キャスター:
ご高齢の方を現役世代が支えるという社会システムになっているわけですからね。

成田さん:
ただ同時に、もし人間が子供を産みたくないと思って、そのコミュニティが自然に衰退していったりするんだとするとそれを望むことも一つの選択っていう側面も当然あると思うんですよね。

現状の問題は、もちろんその衰退したり、あるいは滅びていく自由はあるんですが、同時に今の社会では、本当は産みたい、本当は子どもを持ちたいんだけど様々な事情で持てないという人がたくさんいるということが問題なのかな。

なので少子化そのものが問題というよりは、望まない少子化が問題ってことになるんじゃないかなと思いますね。

山本キャスター:
政府が2023年に打ち出している少子化対策は、こちらの3本柱となっています。

▼児童手当の拡充 など
▼保育サービス充実 など
▼育休強化 など

とありますが、政府は2022年に
・妊娠・出産時 計10万円相当の給付
・出産育児一時金 42万円から50万円に増額するという方針を示しました。

続いては、東京都の具体策です。

▼18歳以下の子どもに月5000円給付
▼第2子の保育料無償化

という策を打ち出しています。

小池知事はこれを「国が遅い。議論ばかりでは間に合わない」というふうに強調をしております。