520人が犠牲になった日航機の墜落事故からきょうで41年です。事故で夫を亡くした華道家の女性が、犠牲者の墓標に花を生け続けた活動を1冊の写真集にまとめました。

群馬県の「御巣鷹の尾根」。きょう、この尾根を登ったのは、日航機墜落事故で家族を失った遺族たちです。

慰霊碑の前で黙祷を捧げたあと、「空の安全」を願い、風船を飛ばしました。

弟を亡くした 美谷島真さん(54)
「やっぱり『今年も来たよ』という気持ち。家族が健のこと、弟のことを覚えていてあげなきゃという気持ち」

父親を亡くした 山本昌由さん
「父は、幼い子どもを残して突然亡くなったのは本当に残念だっただろうなと」

記者(1985年)
「山腹に激突して大破しています」

1985年8月12日、乗客乗員524人を乗せた羽田発-大阪・伊丹行きの日本航空123便が「御巣鷹の尾根」に墜落。520人が犠牲となり、生存者はわずか4人でした。

あれから41年。

華道家 片桐悦子さん
「こっちにこうするより、普通にこういうふうにした方がどうなんだろう」

大阪・堺市に住む片桐悦子さん(77)。花を生ける「華道家」です。

華道家 片桐悦子さん
「もう女性ばっかりだから熱気がバーって」

片桐さんは今月、1冊の写真集を自費で出版しました。その題名は「祈りの花」。御巣鷹の尾根に立つ犠牲者の墓標に生けた花の記録です。

華道家 片桐悦子さん
「これ夫のところですね。最後に残ったお花を夫のところに飾って、それで終わるんですよね」

悦子さんの夫で、同じく華道家だった右弼さん(当時41)。日航123便に乗っていて、帰らぬ人となりました。

夫を亡くした 片桐悦子さん
「やっぱり、思いってあるじゃないですか。悲しかった、悔しい思いもあれば。夫が亡くなったらね」

事故の2年後、悦子さんは御巣鷹の尾根を登り、墓標に花を生け始めました。

夫を亡くした 片桐悦子さん
「いろんな思いを持ちながら、捧げたってことかな。自分の気持ちも、それによって安らいだし、どんどん心が浄化されていく気持ちにもなってきたしね」

事故の犠牲になった3姉妹の墓標には…

夫を亡くした 片桐悦子さん
「3人は若い美しい女性たちでしょ。そしたら、これに負けないくらいの華やかさを出してあげなかったら。ありったけの華やかさを出しましたね。色々な花々を入れて、華やかに華やかにしました」

中には、まるで花嫁がつけるウエディングベールのような生け花も。

夫を亡くした 片桐悦子さん
「外国の方と日本の女性の方が並んで銘標が立っている。奈良の実家に婚約者を連れて帰る時に遭ってるわけですよ、事故に」

悦子さんは、写真集に「事故の記憶を継承する」思いを込めました。そして、夫の右弼さんの墓標の前で、こう報告したといいます。

夫を亡くした 片桐悦子さん
「いい人生を過ごしていますから。優しいお弟子さんたちに囲まれて、いい友に囲まれて、とっても充実しています。幸せです」

事故から41年。事故があった午後6時56分には慰霊式典で黙祷が捧げられます。