快挙達成は持ち越しです。岩手県釜石市出身で将棋のアマチュア棋士・小山怜央さんが20日、合格まであと1勝としていたプロ棋士編入試験の第3局に臨みましたが敗れました。県出身者初のプロ棋士誕生は第4局以降に持ち越しです。
棋士編入試験の第3局は、大阪市にある関西将棋会館で午前10時に始まりました。
釜石市出身で横浜市在住の将棋講師・小山怜央さんはアマチュアで好成績を残し、2022年11月からプロ棋士編入試験に臨んでいて、ここまで2連勝して合格に王手をかけていました。
対局は狩山幹生四段の先手、小山さんの後手で始まり、序盤の競り合いから中盤に差を広げた狩山四段が165手で勝利しました。小山さんは編入試験初の黒星で通算成績は2勝1敗です。
(小山怜央さん)
「対局自体はいつも通りの気持ちでやれたと思うが、内容は終盤が一方的になったのは残念。次局は初の振り飛車党が相手ということで、またそれも含めてどう準備していくかをこれから考えていきたい」
プロ棋士編入試験は5番勝負での3勝が合格の条件で、小山さんは残り2局のうち1勝すれば合格となります。
岩手県出身初のプロ棋士誕生の期待がかかる第4局は2月、横山友紀四段との対戦です。
ふるさと釜石では知人や将棋ファンが対局見守る

小山さんのふるさと、釜石市では市内の将棋ファンなど20人ほどが大盤解説で対局を見守りました。
解説したのは市内で将棋教室を主宰し、子どもの頃の小山さんも指導した土橋吉孝さんです。
土橋さんは「緊張した様子だった。プレッシャーがあったと思う」と対局を振り返り、次に期待を込めました。
(土橋吉孝さん)
「相手の得意な戦形とか勉強して準備して、相手の土俵で戦わないように、今まで通り自分らしさが出せる展開に持ち込んでほしいと思います」
月に2回ほど市内の公民館で開催している将棋教室には、小山さんの活躍を見て新たに通い始める子どもたちが増えているということです。