法改正「緊急銃猟」スタートも、現場に広がる“行政への不信感”

連日の出没とハンターの悲鳴を受け、国も動きました。2025年9月、市街地での特例発砲を認める法改正(緊急銃猟)が施行されます。

環境省のガイドラインに基づき、「人の生活圏への侵入」「人への危害防止」など4条件を満たせば市町村長の判断で発砲可能となりました。一見、環境が整ったかに見えます。

しかし、現場の受け止めは冷ややかでした。札幌市担当者は「避難誘導や交通整理にかなりの時間を要する」と語る通り、実務上のハードルは非常に高かったのです。

なにより大きかったのは、「発砲後に警察からハシゴを外される」というハンターたちの恐怖でした。

池上さん自身も懸念を隠しません。

制度変更や行政・警察への不信感について語る池上治男さん

「ハンターは不安どころじゃない、それは無理…。私のような目に遭ったらということをみんな思っている。最終的に要請がかかるハンターの身の安全(保障)がどうなるのかを決着してもらわないとだめだ」

これを受け、北海道猟友会は「発砲に疑念がある場合はハンターの判断で中断・中止できる」と全支部に通知。制度が変わっても、崩れた行政とハンターの信頼関係は戻りませんでした。