「もっと上へ行きたかった」――。W杯直後の悔しさを滲ませつつも、森保一監督(57)の視線はすでに日本サッカーの未来を見据えていた。ブラジル戦後に選手たちが口にした「個の力」の必要性に対し、監督が語った「金太郎飴」という言葉の真意とは。次世代へバトンをつなぐ指揮官の、熱い決意に迫る。

「もっと多く戦いたかった」

W杯の戦いを終えてから約3週間。日本代表の森保監督は、現在の率直な心境を次のように明かした。

「悔しさもあり…。W杯でもっと上まで行って、試合数、もっと多く戦いたかったなという気持ちは本当に強いですね」

森保監督は、スペインが16年ぶり2回目の優勝を果たした決勝戦を現地で生観戦した。8万人を超える大観衆の中で行われた一戦を、監督はどのような視線で見つめていたのだろうか。

「夢の舞台、最高の舞台だなと思って見ていました。両チームとも自国のアイデンティティーを本当に活かしたフットボールを展開していて、魅力的な試合を見させてもらいました」

スペインとの共通点と日本代表の現在地

今回優勝したスペインは、日本にとって浅からぬ縁がある相手だ。前回4年前のカタール大会で日本が2-1で勝利した相手であると同時に、スペインは日本同様、東京五輪を指揮した監督がそのままチームを作り上げ、五輪メンバーが多く選ばれているという特徴がある。

齋藤慎太郎アナウンサー(右)の質問に答える森保一監督

「スペインと戦いたかったな、というのは気持ちの中にあります。東京五輪でも対戦(日本が1-2で敗戦)していますし、スペインも日本も東京五輪のメンバーが多数主軸となって、チームの中心となってチーム作りをされている中で、現在地を知るためにも、戦いたかったなという気持ちではありますね」

では、森保監督自身は現在の日本代表の立ち位置をどう捉えているのか。

「目標とした結果からすれば間違いなく足りていないところはありますけど、内容的に言えば、間違いなく前進できている、日本サッカーの発展は確実に進んでいるなということは感じました。ただそれを結果に結びつけないといけないなという気持ちです」