日々100件以上の救急出動で、多忙を極める熊本市消防局。全国でも注目された動画の公開から2か月あまり、その効果は?

熊本市消防局では、2022年 4万3000件を超える救急車の出動要請がありました。これは12分に1件以上のペースで、新型コロナウイルスの影響で前の年と比べても2割ほど増加しています。

そんななか、すでに第8波に入っていた2022年11月9日の「消防の日」、熊本市消防局が公開した動画が全国から注目されました。

動画を製作したのは、コロナ禍でこんな通報が増えたからです。

熊本市消防局 清水健太さん「サイレンが聞こえたら誘導してくださいと(通報者に)アドバイスをするのですが、その時に『サイレンを鳴らさないで来てほしい』と要望されることがあります」

「大げさにしたくない」などの理由で「サイレンを鳴らさないで」

しかし法律では、サイレンを鳴らさなければ、救急車は緊急走行できません。この動画では、市民と救急隊員の命を守るためサイレンが重要であることを訴えました。

すると・・・
熊本市消防局 清水さん「動画の効果という点では(動画を配信した)11月の数でいくと一時的にかなり減っています」

2022年10月、142件だった条件付きの通報は、動画を公開した11月には27件まで減少しました。ただ、条件付きの通報は、依然から一定の割合あったということで、先月12月には100件近くと再び増加しています。

動画を見て通報を躊躇しないで

熊本市消防局 清水さん「体調のことで不安だなということがあれば電話をいただいて。動画を見て(通報することの)ブレーキになって躊躇しないようにしてほしいと思っています」

命を守るため、そして、いち早く安全に現場に向かうためサイレンを消すことはできません