日本の主力ロケット「H3」で再来年にも、民間企業が開発する月着陸船を打ち上げることが発表されました。
民間企業が主体となって、打ち上げから月面着陸までを目指すのは日本初の試みです。

これは29日、H3の開発や製造を行う三菱重工業と、宇宙事業を手がける東京の企業「ispace(アイスペース)」が会見で明らかにしたものです。ispaceは、月へ物資を運ぶ「月面輸送システム」の実現を目指し、月着陸船の開発を進めています。これまで2回、アメリカのスペースX社のロケット「ファルコン9」で打ち上げを行い、いずれも月周回軌道には到達したものの、最終的な月面着陸には失敗しています。3度目となる2028年の打ち上げでは、円安などによるコストを抑えるため、国産の「H3」ロケットを使用することに決めました。

民間企業が主体となって打ち上げから月面着陸を目指すのは、日本初の試みです。

搭載するのは新たに開発する月着陸船「ウルトラ」です。「ウルトラ」は月面の探査や観測に必要な国内外の機器を運ぶ予定です。

ispaceの袴田武史CEOは、「日本初の民間での月輸送システム構築の出発点にしたい」と述べました。

また、三菱重工の五十嵐巖宇宙事業部長は「H3の信頼性と競争力を着実に高め、日本の宇宙産業の発展と新たな価値の創出を支えていきたい」と述べました。

「H3」は、H2Aロケットの後継機として、低コスト化などを目的に開発された日本の主力ロケットで、鹿児島県の種子島宇宙センターで打ち上げられています。去年12月の打ち上げでは衛星を載せる台座に不具合があり失敗しましたが、今年6月、対策を講じた打ち上げで成功しました。