3月9日に開幕する野球の世界一決定戦、WBC。日本が連覇を果たした2009年大会の胴上げ投手で、同大会以来の侍ジャパン入りとなったパドレスのダルビッシュ有投手(36)が、当時共に戦った川﨑宗則さん(41)と対談。約9000キロの距離を全く感じさせない、盟友二人のスペシャルトーク。気心の知れた先輩・川﨑さんに語った、ダルビッシュ投手が“投げてみたい変化球”とは。(全2回の1回目)
2人きりで67分間の本音対談
川﨑宗則さん:
本当にきょうは誰もいないんだな。大丈夫かな?よし、一人で有くんときょうは・・・。
スタッフを入れずカメラも無人。本音を引き出すために、2人だけの空間が作られた。
川﨑さん:
Hey、有くん、Good to See you。Good morning!有くん、どうですか?サンディエゴ生活は。
ダルビッシュ有投手:
すごくいいですよ。楽しいですよ。
川﨑さん:
そっち(サンディエゴ)は何時ですか?
ダルビッシュ投手:
今は朝9時30分です。そっち(東京)は今、午前2時30分ですよね。
川﨑さん:
よう知ってますね、有くん(笑)ぐっすり寝た感じで、顔がスッキリしているじゃないですか。良く寝られたんですか?Did you sleep last night?(昨日は寝られましたか?)
ダルビッシュ投手:
No. やたら英語できますね(笑)睡眠不足ですね、子どもたちがいるから。
川﨑さん:そうね、そうね。
ダルビッシュ投手:
朝6時過ぎくらいに起きていろいろやるので。最近はちょっとずつ良くなってきました。
「変化球を作ってくれって言われたら作れますよ」
ダルビッシュ投手と言えば変化球。変幻自在の変化球を武器に、2022年はナショナルリーグ3位タイ、自身メジャー最高タイの16勝。さらに、史上2人目となる日米通算3000奪三振を記録した。年齢を重ねるごとに成長を続ける36歳の大エースが、3月のWBCに参戦。世界一奪還への挑戦を前に、変化球の秘密を語った。

川﨑さん:
有くんと言えば変化球、非常に投げるのが好きですよね。今、考えただけで変化球だったらどれくらいの種類を投げられます?
ダルビッシュ投手:
どれくらいって言っても・・・こういう変化球を作ってくれって言われたら作れますよ。
「変化球を作れる」とはどういう事なのか?
ダルビッシュ投手:
毎回、試合でも投げて、毎試合同じような感じで投げているように見えたとしても、けっこう変えてるんですよ。グリップを変えたり、ちょっと縦の変化や横の変化だったりが毎回あるのでそれをずっとやっている感じですね。
(川﨑)宗さんは僕のことをずっと知っているからあれだけど、変化球の事しか基本的に興味がないんですよ。
川﨑さん:
ハッハッハッハッ(大笑い)

ダルビッシュ投手:
だから、今でも「どうやったらこういう変化球が投げられるんだろう?」「あの人、どんな風に投げてるんだろう?」とか、Googleで“あの人”の変化球が気になったら握りを調べて、次の日投げて、それをずっと今、やっているだけなんで。
川﨑さん:
さすがですね。有くんはブルペンで投げられたらそれを投げるイメージがあって、即席じゃないですか、即席変化球。
ダルビッシュ投手:そうですね。
川﨑さん:
それが凄いなと思って。だから(変化球は)何種類って種類は数えきれないでしょう。スライダーの中でもいっぱいあるわけじゃないですか。
ダルビッシュ投手:
そうですね。でも大雑把に言うとフォーシーム(ストレート)、ツーシーム、速いカットボール、遅めの、85マイル(約137キロ)くらいのカットボール、スイーパー(大きい曲がりのスライダー)、スプリット、チェンジアップがメインですかね。あと速いカーブ、遅いカーブ、中間のカーブ。
川﨑さん:
現在は20種類くらいですかね、変化球としては。
ダルビッシュ投手:
そのくらいで、はい。
川﨑さん:
俺は50種類くらいあるんじゃないかなと思ってるんだけどね。マジで。
ダルビッシュ投手:
(笑いながら)細分化すればあるかもしれないですね。
川﨑さん:凄いですね。