佐賀県で1~2月の2か月間、水曜・日曜日に県内の路線バス運賃を無料にする取り組みが実施中。対象は7つのバス事業者と、20市町が運営するコミュニティーバスなど(高速バスは除く)。佐賀県ではマイカー普及率が高く、公共交通機関の利用を後押ししようという取り組みです。
◆さがバスまるっとフリーDAY

RKB堤千春「バスの入口でICカードをかざすこちらの機械。『水曜と日曜は無料』と書かれていて、カードが通せないようになっています」
バスセンター係員「きょうは無料になっています、ICカードはかざさなくていいです」
佐賀県内で1~2月の水曜・日曜に実施される「さがバスまるっとフリーDAY」。県内全域で、路線バスやコミュニティーバスなどが無料になります。佐賀駅のバスセンターでは18日、通勤・通学で利用する人たちが朝から列を作りました。

「自転車で通学してるんですけど、バス通学できるといいなと思っています。冬は寒いので、バスは便利だなと思います」
「いつもより30分早く出て同じくらいの時間に着くのと、終バスまでに仕事が終わるか分からないのが、ちょっと不安ではあるんですけど、2月まではやってみようかなと思っています」
◆無料なので遠出する人も

無料の日には、佐賀市から唐津や武雄方面などへバスで遠出する人も増えていて、満席になる便もあるということです。

「助かりますね。このご時世、とってもうれしいです」
「いつも車で運転だから、たまには運転しなくてバスに乗ってるだけで目的地に着く(のがいい)」
「健康のため、バスに乗ったり降りたりも運動になるし、その目的地まで歩いたりするから」
◆降車が佐賀県内なら県外から乗ってもOK!

無料化の恩恵を受ける人は、佐賀県民だけにとどまりません。県外のバス停で乗っても、降りるのが佐賀県内であれば無料になるんです。福岡県の西鉄小郡駅から県境を越えて、鳥栖市の大型商業施設に向かう路線バスです。日曜日で、車内は買い物客や施設で働く従業員などでいっぱいでした。

「え、きょう無料っすか? めっちゃ得した気分、いいなと思う」
「ありがたいです。いつも(ランチは)おにぎりとかカップ麺とかを、お店に食べに行ったりとかできる。ちょっとぜいたくしようかな、と」
◆地域限定の実証実験で成果

無料化の取り組みは、より多くの人にバスの便利さを知ってもらい、自家用車に頼らない「歩くライフスタイル」を普及させるのが目的です。佐賀県は、1世帯あたりのマイカーの保有台数が約1・5台と全国平均を大きく上回り、九州ではナンバー1。特に、軽自動車や軽トラックの普及率は全国トップクラスです。バス無料化の取り組みは、より多くの人にバスの便利さを知ってもらい、マイカーに頼らない「歩くライフスタイル」を普及させるのが目的です。
県は2021年と22年、まず佐賀市と唐津市に地域を絞って10月に無料化を実施。その結果、乗客数が通常の1・5~1・8倍に増えたということで、今回エリアを県内全域に広げました。
佐賀県交通政策課 吉原大介副課長「それぞれお一人お一人のライフスタイルがあるかと思いますが、公共交通へ目を向けてもらえるきっかけになれば」
◆先行する高知県の取り組み
無料化の取り組みは、市街地中心部の渋滞緩和などを目的にほかの地域でも行われていますが、県全域で実施するのは珍しいということです。利用客が増えることで、マイカーとは違う目線から地域の魅力に気付いてもらうことも期待されます。

居酒屋「葉牡丹」(高知市)武内隆行さん「バス停がすぐ目の前なので、お子さん連れが多いですね。来店者も若干増えている。公園でイベントがあれば、その流れでお食事に来てくれる」
◆バス事業者への支援につなげる
さらに、新型コロナの影響でバス利用者が2~3割ほど落ち込む中、需要を回復させ、バス事業者を支援するのも目的の1つです。

佐賀県交通政策課 吉原大介副課長「無料のときは確かに利用者がたくさんいるが、それ以外でも通常利用につなげていければと思っています」
佐賀県は2か月間の利用者の反応をみて、今後に生かしたいとしています。















