なぜ生産者は、手数料25%でも集まるのか
売れた金額の25%という手数料は、数字だけ見れば決して安くありません。それでも登録した生産者は、全国で3万5000人を超えています。
理由のひとつは身軽さです。生産者が自分で都心に店を構えようとすれば、家賃も人件費も内装も、大きな投資と売れ残りの覚悟が必要になります。わくわく広場なら、商品を持ち込むだけで、都心の一等地の売り場と、そこに集まるお客さんを使えます。納品も値付けも自分のペースで決められます。
もうひとつの理由が、データです。わくわく広場には生産者専用のWebポータルがあり、自分の商品がどの店で、いつ、いくつ、いくらで売れたかを、スマホやパソコンからほぼリアルタイムに確認できます。データは15分おきに更新されるので、畑にいながら売れ行きがわかります。農家が自前で販売データを集める仕組みを持つのは簡単ではありません。そこを運営側がまとめて肩代わりしているわけです。実際、店舗ごとの客層の違いを分析して、「この店ならこれが売れる」と予測しながら、出す商品や作る作物を変えている生産者もいるそうです。都心の店にはこのお弁当、郊外の店にはこの野菜、という具合です。
つまり25%は、単なる販売手数料ではなく、「都心で商売する権利」と「販売データ」がセットになった利用料と考えると腑に落ちます。売り場を持たない生産者と、新鮮なものを求める都心の消費者。その両者をつなぐ場所に、ちゃんと値段がついているのです。
会長の言う「実店舗のAmazon」の意味
タカヨシホールディングスの創業者でもある会長は、「我々は欠品OK。いいものは午前中になくなる。売り切れごめん」と語り、自分たちのことを、仕入れて売るお店ではなく「実店舗のAmazon」のような存在だと表現しています。
これは言い得て妙です。Amazonのサイトで買い物をすると、実は多くの商品はAmazon自身ではなく、出店している無数の販売者から買っています。Amazonは売り手と買い手が出会う「場」を提供して、取引のたびに手数料を受け取る。こうした商売の形を「マーケットプレイス」と呼びます。わくわく広場は、それを野菜の直売所というリアル店舗でやっているわけです。
しかも、在庫を持たないスタイルは、この会社の原点でもあります。タカヨシの創業は1970年。最初の商売は、事務機器のカタログ販売でした。半世紀前から一貫して、「モノを抱えずに、売り手と買い手をつなぐ」商売を続けてきた会社なのです。














