奉行所の日報に残る「毛皮、胃、油」
当時、熊本城にあった熊本藩の奉行所の日報「奉行所日帳」で、1636(寛永13)年9月1日のところには次のように書かれています。
「阿蘇南郷のうちの永野原という村の新兵衛という者が、先月二六日に熊を鉄砲で仕留めた。新兵衛は熊の毛皮、胃、油を阿蘇南郷奉行の魚住と原田のところに持ってきた。それが今日、熊本に届けられた」(稲葉継陽著『歴史をいまに読む―熊本・永青文庫からの発信―』)
永野原とは、熊本県と宮崎県の県境で、祖母山の西側の地域とされていて、祖母山一帯はクマがいた場所です。
この記述を見つけたのは、熊本大学永青文庫研究センター特別研究員の後藤典子さんです。
熊本大学 永青文庫研究センター長の稲葉継陽さんは、「こうして奉行所の日報に記されるということは、この時代でもクマが捕れるのは、ありふれたことではなかったようだ」と推測します。
また、毛皮はそのまま防寒具などとして使われたのでしょう。胃は「胆のう」であり薬として用いられました。油は皮下脂肪のことで、塗り薬とされたそうです。














