医療機関にとっては負担が増える可能性も・・・

北陸病院 吉田光宏院長:
「(脳の画像診断のため)MRIも定期的にやらないといけません。MRIがある施設、もしくはすぐ利用できる施設が必要です。さらに定期的に注射もしなければいけないし、病院に頻繁に来られるかという点も大切です。飲み薬だけ処方をしておけばいいわけではなくて点滴をしなければいけないので、そういう場所を確保したりとか、スタッフの労力は少し増えると思います。診療環境も整理しないといけません。今までやっている認知症外来ではなくて、点滴したり髄液検査をしたり、ペット検査を受けられるようにしなければいけません」

そして一番気になるのが治療にかかる金額ですが。

北陸病院 吉田光宏院長:
「アメリカだと保険が効かずに自費となりますが、年間の薬剤費が350万円くらいかかるということです。そうなると日本で進行を引き延ばすためにお金を使う人がどれくらいいるか、その点もハードルが高いです」

標準治療と比べて進行を平均で3年間遅らせる――これについては?

北陸病院 吉田光宏院長:
「治験のデータを見ると数字的には軽減されていますが、実際に、家族が見てどこまで印象で変わっているかというのは難しいレベルという論文もイギリスから出ています。ご家族が受ける介護度の軽減は実際にやってみないとわかりません」

アルツハイマー病は高齢化で人数も増える傾向にあります。私たちができる対策は?

北陸病院 吉田光宏院長:
「一般的にはどんな病気も予防が大切です。アルツハイマー病、つまり認知症は予防が大切なので、予防に一番効果がある、エビデンスがあるのは運動と食事なのでそれを今まで言われているように気をつけていく。どんな病気もそうですが、運動と食事が大切です。生活習慣を改善していくことが一番大事だと思います」

コロナの今こそ、生活習慣の改善が重要だと言います。

北陸病院 吉田光宏院長:
「コロナはもうすぐすると収まってくると思うので、ワクチンが必要な人はワクチンを打ちながら外に出て行くようにしていく。コロナと一緒に過ごしていくという感覚でそろそろ行かないとこもってばかりいたら認知症の方ばかり悪化してしまいます」

アルツハイマー病に効果が期待される治療薬レカネマブについて、エーザイは「今年中の承認を目指していきたい」としています。