国民の半数が“態度保留”の「皇室数の確保策」
9日、国会が正常化されたことで、政府・与党が最優先で成立を急いでいるのが皇族数を確保するための皇室典範改正案である。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ案と旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案が柱となっている。

とくに国民の賛否がわかれているのは後者で、この養子案について5月のJNN世論調査では「賛成」41%、「反対」35%だった。
さらに与野党の会議で議論にならなかったその養子に男子がうまれた場合、その子に皇位継承権をもたせるかどうかについては「現行の皇室典範の規定が適用される」(6月26日木原官房長官)として皇位継承資格を持つとの認識を示したことに一部の野党が“これまで議論しておらずだまし討ちだ”(立憲・水岡代表)などと反発している。
この養子の子の皇位継承について、最新の世論調査では「賛成」29%、「反対」22%、「どちらとも言えない」45%。さらに、今国会でこの皇室典範を改正すべきかどうかを聞いたところ、「賛成」24%、「反対」27%、「どちらとも言えない」46%と、いずれも半数近くが判断をきめかねていることがわかる。

残された課題はまだある。
女性皇族が結婚後も皇室に残ったとして、その夫や子どもの扱いはどうするのか。改正案では一般人のままとされていて、同じ家族の中で妻(母)は皇族で皇室の戸籍に当たる「皇統譜」への登録が継続され姓はもたず、夫や子は一般人で戸籍に記載されるといういびつな状態となる。実生活上の不便さが生じる可能性があるため政府案では妻(母)は皇統譜からは離れず一般人と同じように住民基本台帳法を適用するとしたが、一部の野党は“これまで議論がなかった”と反発している。
こうした状況下で皇室典範改正案は10日、衆院の議運委員会で3時間の審議で終了、その日のうちに衆院本会議で可決された。
憲法1条には天皇の地位は「国民の総意に基づく」と明記されているが、国民の理解が進まぬ中、今国会での成立の公算が大きくなっている。後世に禍根を残さぬよう、国民を置き去りにしない深い議論が必要である。
TBS政治部・世論調査デスク 室井祐作
【7月JNN世論調査の結果】
●高市内閣の支持率は65.9%(先月よりも4.1ポイント下落)。不支持率は30.8%(先月より3.4ポイント上昇)。
●政党支持率は、
自民 32.3%(3.2↓)
維新 3.2%(1.2↑)
国民 2.7%(1.2↓)
中道 4.5%(2.6↑)
立憲 1.4%(2.0↓)
参政 3.9%(0.3↑)
公明 0.9%(1.4↓)
みらい1.4%(0.4↑)
共産 2.2%(0.2↓)
れいわ0.5%(0.8↓)
保守 1.0%(0.1↓)
社民 0.2%(0.2↓)
その他0.2%(0.8↓)
支持なし41.8%(3.9↑)
●国民会議で自民党が提示した食料品の消費税を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる案について「賛成」55%、「反対」35%
●与党が国会に提出した「比例45削減する」法案について「賛成」58%、「反対」22%
●皇室典範をいまの国会で改正することについて「賛成」24%、「反対」27%、「どちらとも言えない」46%
●旧宮家の男系男子が養子として皇族となった場合、その子に皇位継承資格を与えることに「賛成」29%、「反対」22%、「どちらとも言えない」45%
●高市総理の秘書の中傷動画報道をめぐり高市総理のこれまでの対応について「十分納得できる」9%、「ある程度納得できる」34%、「あまり納得できない」28%、「全く納得できない」23%
●与党の国会運営に反発した野党が委員会などを欠席していることについて「十分理解できる」5%、「ある程度理解できる」22%、「あまり理解できない」36%、「全く理解できない」35%
●選挙期間中の偽動画、誹謗中傷の拡散を防ぐために、法律で「収益化の停止」を「義務づけるべき」は60%、「義務づけるべきではない」は23%
【調査方法】
JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。7月4日(土)、5日(日)に全国18歳以上の男女2959人〔固定822人、携帯2137人〕に調査を行い、そのうち35.0%にあたる1037人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話463人、携帯574人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。今後とも世論調査にご理解、ご協力おねがいします。














