2Eギフテッドへの必要な支援とは

ギフテッドの子どもたちをめぐっては、その“特異な才能”だけがクローズアップされてきた。だが、文部科学省の有識者会議は、4年前、「才能や特性ゆえに、学習や学校生活の上で“困難”を抱えることがある」として、そうした子どもたちへの支援を初めて打ち出した。

2Eギフテッドの子どもやその親を支援する民間のカウンセリング機関が福岡県にある。「TEAM GIFTED」の足立瑛児さんと母の陽子さん。この日は、病院と老人施設を運営する医療法人で職員研修を行っていた。

チーム ギフテッド 足立瑛児さん
「2Eギフテッドと言われる子どもたち。ギフテッドって、ただ頭がいいだけなのか。ただの天才なのかというと実はそうではなくて、“学校教育からはじかれてしまっている子”がいっぱいいる」

“才能”だけに注目が集まり、同時に存在する“特性”が見過ごされてきたという。

チーム ギフテッド 足立瑛児さん
「才能とか高い知性は、彼らの氷山のほんの一角でしかない。水面下では、困難とか生きづらさが複雑な形で隠されている」

瑛児さんの母親、陽子さんが「TEAM GIFTED」を立ち上げたのは18年前。発達障害などにより本来のポテンシャルを発揮できず、生きづらさを感じている子どもたちが学べる環境をつくるためだった。

チーム ギフテッド 足立陽子代表
「2Eギフテッドってルーティンワーク、毎日決まったところで決まったことをするのが定型発達(標準的な発達)の子以上に必要。それをできる先生がいないから、そういう先生たちが日本に生まれてきてもらわないと困る」

活動のきっかけは、息子の瑛児さんが6歳で文字の読み書きに困難がある「ディスレクシア・アスペルガー症候群」と診断されたことだった。自分の名前も書けずいじめられ、「死にたい」とまで追い詰められた瑛児さんを小学4年生のとき、発達障害の専門プログラムがあるイギリスの学校に留学させた。

チーム ギフテッド 足立瑛児さん
「すごくいい学校。あの学校を超える学校を見ていない。(学校には)支援が必要な子どもたちの感覚統合の部屋がある」

感覚統合は、脳への刺激をうまく処理できるようにする訓練だ。動物型のクリップで細かいものを挟んだまま、バランス感覚を養う運動をする。

例えば、マグネットをつけた魚を釣り上げる遊び。竿をゆっくり動かせるようにすることに力を注ぐ。こうした訓練で体の動きをコントロールできるようになると、言語機能も高まるという。

瑛児さんは留学先で、まずこの感覚統合の訓練を1か月ほど集中的に受けた後、文字の読み書きを学んだ。

チーム ギフテッド 足立陽子代表
「最初の夏休みに帰ってきたとき、家の中で英語の本を持ち歩いている。読み書きをできなかった子が読み書きを手に入れたら、そこで人並みの勉強ができるようになるわけで。『この子は勉強したかったんだな』と思いました」

8年前、20歳で帰国。海外で学んだ専門知識を子どもたちのカウンセリングに活かし、陽子さんとともに活動している。

チーム ギフテッド 足立陽子代表
「2Eギフテッドの小学1年の男の子。プログラムの一環で『地図を描く』授業があります」

空間認知能力がずば抜けて高い一方で、外からの刺激に過剰に反応するところがある男の子。海岸で目にした地形を描く作業に取り組ませている。

チーム ギフテッド 足立陽子代表
「紙に描かせようと思ったが、すごいスケールになると思ったので。モチベーションが下がっちゃうんですよ。だから机に書きなさいって言って」

部屋全体を使って地図を描かせ、達成感や自己肯定感を育てるという。これまでに、通常の学校にはなじめない子どもたちを、適切な受け入れ環境のある国内外の学校に50人以上送りだしてきた。

足立さんが研修を行っていた医療法人では、発達障害のあるこどもを放課後に受け入れるサービスを8月から始めるという。

副理事長の三野原信二氏は…

三野原信二副理事長
「小・中・高校に入ったら、特別学級・フリースクール・放課後デイサービスを受けることができる。18歳になると“その後”がない。発達障害って一生の問題。学生時代だけの問題じゃないし、働いている人たちの問題でもある。ずっと続いていく問題と認識しないと、しっかりした支援はできない。そういうプログラムを作っていくことがこれから一番大事」