物価高で、100円ショップの業界では「脱・100円」が進んでいます。300円、500円と、100円より高い商品を増やす会社が相次ぐなかで、大手でただ1社、いまもほぼすべての商品を100円均一のまま売り続けているお店があります。セリアです。なぜセリアだけが、100円を守り続けられるのでしょうか。実はそこには、精神論ではない、極めて合理的な経営の計算があります。その核心について、リサーチャーのcomugiが解説します。
(TBS Podcast『コムギコ:資本主義をハックしろ!!』2026年7月5日配信『100均の美学:"ダイソー好き"か"セリア好き"か、あなたはどっち?』より)
市場は1兆円超え。それでも「100円」は苦しい
帝国データバンクの調べによると、2025年度の国内の100円ショップ市場は、大手4社を中心に約1兆1100億円。3年連続で1兆円を超えました。最大手のダイソーを展開する大創産業は、2026年2月までの1年間の売上高が7710億円と、15年連続で過去最高を更新しています。物価高で節約志向が強まるなか、100円ショップはむしろ伸びているのです。
ただし、その中身を見ると、成長を支えているのは「脱・100円」です。原材料やエネルギーの価格が上がり、100円のままでは扱えない商品が増えたため、各社は150円、300円、500円といった価格帯を広げてきました。100円ショップと、300円ショップの3COINSや無印良品のような「プチプラ」雑貨との境目は、どんどん曖昧になっています。














