宿泊施設の不足…夜の街が育たない…その背景に何が?

ではなぜ奈良の宿泊客は少ないのでしょうか。

それにはアクセスが良くコンパクトに観光が完結してしまうことに加え、「宿の不足」という決定的な要因があります。

かつて客室数が全国最下位だったことから、ホテルを増やす方針に舵を切って数年が経過したものの、2024年度でもまだ全国43位(厚生労働省「衛生行政報告例」)。

奈良では、開発のために地面を掘ると、遺跡が出てきてしまうことがあるため、民間業者にとってコストや工期延期の大きなリスクとなり、開発が躊躇されやすいという特殊な事情があったということです(奈良県立大・新井教授)。

さらに、宿が少ないために夜の賑わいが育たなかったという悪循環も…。

奈良県は大企業の数が47都道府県の中でワースト3位に入るほど少なく、ビジネス目的の施設やビジネスホテルがあまりありません。そのため、出張して夜に飲食店で飲むといった文化が定着せず、夜の繁華街や魅力的な飲食店が育ちにくい環境にありました。