「海ごみ」が生態系に危険を及ぼす現状

今、世界の海では捨てられたペットボトルや災害などでちぎれた漁具が流れ出す「海ごみ」が深刻な問題となっています。

石油由来のプラスチックは海を漂う間に劣化して細かくなり、自然に還らないため海洋生物が飲み込んでしまうなど生態系に危険を及ぼしているのです。

植物プラスチックで漁網づくり

こうした中で、金沢大学で海洋生物資源を専門とする竹内裕教授らが、植物由来のプラスチックによる漁網づくりに乗り出しました。

◇金沢大学理工研究域・竹内裕教授…「植物の特に農業の現場で出てきた農業副産物、搾りかすだとか、それをうまく金沢大学で加工してプラスチックにする。プラスチックから糸を作る。糸をよって編んで網になっていく。こういった網を今、作っています」

竹内教授らは、新潟の海洋高校が行っていた昆布の養殖に、試作した植物由来のロープを使うなど実証実験を重ねました。

およそ3年にわたる研究で試作の糸を完成させ、2026年の秋から静岡県のノリ養殖で実際に使われることになりました。

循環の仕組みをめざして

◇金沢大学理工研究域・竹内裕教授…「これはノリを育てる網なのですが、ノリの養殖漁業者はたったの2年しか使わないことがわかって、そうであれば使ってもらって回収するという、そういう仕組み、循環の仕組みを作りやすいのではないか」

課題は「環境配慮」と「コスト」

ノリ養殖では2年以上、網を使うとノリの付き具合が悪くなると言われていて、今後は環境配慮の価値を高める一方でコストが課題となります。

◇中外製網・柴田彰一郎社長…「課題はやはり漁業者が手に取るときの価格帯がどうしても、今までの素材で作られた網よりは高くなってしまうので、そのコストをいかに落として、使いやすい網で、そしてまた自然に還るという循環ができるようなこと、ここが一番の課題と思っている」