メルカリやフリマアプリを使えば、スマホひとつで何でも売り買いできるようになりました。それなのに、中古品の「店舗」がいま絶好調です。リユース業界トップのゲオホールディングスは、2026年10月に社名を「セカンドリテイリング」へと変えます。主役は、中古専門店「セカンドストリート」、通称「セカスト」。国内外で1000店舗を超え、海外だけでさらに1000店舗を狙うところまで来ています。スマホで完結する時代に、なぜわざわざ店に品物を持ち込む人が増えているのか。その核心について、リサーチャーのcomugiが解説します。

(TBS Podcast『コムギコ:資本主義をハックしろ!!』2026年6月16日配信『進撃のセカスト!激動のリユース市場とAI時代「見立て力」の重要性』より)

メルカリは「踊り場」、伸びているのは店舗

まず、数字で現状を確かめておきましょう。国内のリユース市場は2024年に3兆2628億円。15年連続で拡大していて、2030年には4兆円に達するという試算もあります。リユース店の数は全国で約2万店。もはやニッチな業界ではありません。

興味深いのは、この成長を引っ張っているのが「店舗」だということです。リユース経済新聞の調べによると、2024年は、フリマアプリのような個人間のネット売買が約1.4%増にとどまった一方で、店舗での販売は8.2%増。メルカリ自体も、国内の流通総額は1兆円を超える規模に達していますが、足元の成長率は一桁台に鈍っています。これは国内リユース市場全体のおよそ3分の1に当たる大きさですが、伸び方は、市場全体の店舗販売ほど力強くはありません。

なぜ、便利なメルカリがあるのに店舗なのか。理由は「手間の少なさ」です。紙袋にまとめて持っていけば、その場で査定され、その場で現金になる。出品も発送も評価のやり取りもいりません。引っ越し、衣替え、遺品整理など「とにかくまとめて手放したい」場面では、店舗のほうが圧倒的にラクなのです。そして、一点ものの中古品が並ぶ店内を歩く「宝探し」の楽しさもあります。