「チェーン化できないはずの商売」という謎
ところが、経営する側に視点を移すと、リユース店はとても不思議な商売です。チェーン経営の常識が、まるで通用しないのです。
普通のチェーン店は、同じレイアウト、同じ品揃えの店を全国にコピーして増やしていきます。本部が商品を計画し、どの店にも同じものを並べるからこそ、効率よく出店できます。
ところがリユース店は、いつ、誰が、何を持ち込むか予測できないので、仕入れの計画が立てられません。同じ商品でも状態が一つひとつ違うため、品揃えを標準化することもできない。さらに、持ち込まれた商品はその地域に欲しい人がいる可能性が高いので、別の店に動かすとかえって売れなくなる。だから「店舗間で商品を移動させない」のが原則です。仕入れも品揃えも計画できず、商品の移動すらできない。これは本来、全国チェーンには向かない商売なのです。
では、セカストはどうやって、この「チェーン化できないはずの商売」を世界1000店舗のチェーンに変えたのでしょうか。
趣味の古着店から始まった
意外なことに、セカストの始まりは、趣味のお店でした。1996年に香川県高松市にできた1号店は、もともと、当時のオーナーがアメリカの古着を輸入して売る、個人商店のような店だったそうです。当時のリユース店は倉庫のように暗くて入りづらいのが普通でしたが、セカストは創業期から明るく入りやすい店づくりをしていました。この点が、後で大きな意味を持つことになります。
そのセカストに、ゲオが2008年に資本参加し、2010年に完全子会社にして、2013年にはセカンドストリート事業をゲオ本体が引き継ぎます。面白いのは、最初は戦略的な買収というより「店舗の有効活用」だったことです。ゲオの主力がビデオテープからDVDに変わると、DVDはかさばらないので広い売り場が余ってしまう。その空きスペースを埋めるために、ゲオの店の中にセカストの売り場をつくっていた、というのが始まりでした。
転機は2011年です。現在の社長が就任して「セカンドストリートは会社の柱になり得る」と号令をかけ、ゲオで稼いだ利益をセカストに投入する体制へと変わっていきました。














