アメリカとイランの戦闘終結に向けた協議が続く中、イスラエルが攻撃を続けるレバノンを日本人ジャーナリストが現地取材した。現地で見えたのは、一般市民の生々しい傷跡、そして戦争が生み出す悲しみと怒りだ。
「支援も届かず、苦しい生活」 避難民キャンプの辺り一帯にプロペラの音
6月10日。イスラエルのネタニヤフ首相はレバノン国民に向けてメッセージを発信した。

イスラエル ネタニヤフ首相
「イスラエルは国民の皆さんと戦っているのではない。ヒズボラと戦っている。ヒズボラはイランの言いなりになり、レバノンからイスラエルにテロ攻撃を仕掛けている」
映像には、レバノンの公用語であるアラビア語の字幕がつけられていた。親イランのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」を孤立させる狙いがあるとみられる。
イスラエル ネタニヤフ首相
「我々と共に歩もう。すべての子供たちのために、安全と繁栄を築こう。ヒズボラが解体されれば、可能性は無限に広がり輝かしいものとなる」
先行きが見通せない、イスラエルによるレバノン攻撃。首都ベイルートには避難民のキャンプが設けられている。
1978年にレバノン内戦を取材して以来、度々この地を訪れてきた、ジャーナリストの遠藤正雄氏が現地に入った。

ジャーナリスト 遠藤正雄氏
「ここに住んでいる人たちは、国が用意した公共施設に入れず、暫定的にとどまっています。支援も届かず、苦しい生活をしているようです」
ここでは85の家族が避難生活を送っているという。
辺り一帯にプロペラの音が轟いていた。

ジャーナリスト 遠藤正雄氏
「目視はできませんが、これはイスラエルが偵察のために飛ばしているドローンです。イスラエルが、リストにある人物がいないかどうかを探しています」
男性は妻と子ども3人の一家5人で、3か月近く避難生活を続けているという。

避難している男性
「この戦争を始めたのはイスラエルだ。ヒズボラを支持している。抵抗する戦士たち、そしてイランも、彼らがこの国を守ってくれている」
このキャンプに身を寄せる人たちが住んでいたのは、ベイルート郊外のダヒエという地区。ヒズボラの本部があることから、度々攻撃を受けている。

イスラム教シーア派組織の「ヒズボラ(神の党)」。イランから支援を受け、レバノン国軍をしのぐまで軍事力を拡大させた。ヒズボラの旗にはカラシニコフ銃が描かれている。
貧困層に教育や福祉を提供し、一定の支持を集めていることから、政党としても国会議員を輩出している。
ヒズボラが支配するダヒエに入ると、イランとの結びつきを示すような光景も見られた。

道路や街中には2026年2月の攻撃で殺害された、イランの最高指導者ハメネイ師の肖像画が掲げられていた。
爆撃された現場は…

ジャーナリスト 遠藤正雄氏
「ここはダヒエの中心部です。ヒズボラの本部に近く、象徴的な建物があるということで、非常に激しく、空爆されています。使われる兵器も尋常なものではなくて、大型のミサイルや爆弾が使われています。あのビルは倒れてます」
「憎しみの連鎖」を象徴するような場面にも出くわした。














