学生の町・弘前で長く愛されてきたカフェ「ブルーエイト」

このほど、店で告知されたのは「ブルーエイトさしあげます」というチラシです。30年以上、店主を務めてきた男性が現場を退き、新しい店主へ引き渡すことを模索しています。

店内に先月下旬貼り出されたチラシ、そこに書かれているのは「ブルーエイトさしあげます」このチラシを書いたのは、店主の角田隆美(かくた・たかよし)さん

※ブルーエイト 角田隆美 店主(75)
「いい加減もう75歳なので…今年は76歳。これ以上働いても、体に無理してやっていても人生短いから、ちょっと楽しもうということで思い切ってあげてしまおうと」


角田さんは1986年にブルーエイトの店主になってから様々なレシピを考えてきました。


なかでも、人気が高かったのはパフェ。学生時代、友達と一緒にブルーエイトへ通い詰めてこれが思い出の味!という人は多くいます。

※客は
「立派なパフェを最近食べることができなかったので、パフェといったらここだなと思って来てますね」
「昔から来ていたお店の1つだったので、本当にまたひとつ弘前の魅力がちょっとなくなってしまうのかなというのがちょっと残念です」

こうして、訪れた人に角田さんは店主としてだけではなく、ときに大人として厳しく接することもあったといいます。
※角田店主「高校生に厳しかった。いろいろとたばこを吸ってた連中もいるし裏にちょっと来いと」

そして、時代は移り変わり、角田さん自身も健康に不安を覚えるようになったことに加え、コロナ禍で客足も遠のいたことから新しい店主を募集し引き渡すと決めました。

※角田店主「色々やってきたが、あの店のパフェがおいしかったとか、私たちの青春だとかいろいろ言ってもらえて感謝しています。だから店をやっていて本当にこの37年間感謝しています。ありがとうございます」

希望があれば、内装はそのまま、イスやテーブルなどもすべて受け渡し、レシピも教える予定ですが、角田さんが新しい店主に求めるのはただ一つです。

※角田店主「これだけ、これだけはもうないな。ただ気持ちを込めて作ってくださいくらい」

学生たちの思い出が刻まれてきたブルーエイト。角田さんは1月中に現場を退き、新しい店主へ受け渡したいとしています。
