「その5秒をどう見せるか」――考え続けた“体感時間”

ドラマ『GIFT』第10話より

本作では、クランクインの1年ほど前から、平野監督やプロデューサー、美術やVFXスタッフらが定期的にミーティングを開き、ディスカッションを進めてきた。

「車いすラグビーが実際にどういうふうにドラマに落とし込まれていくのか、エンタメとして“どう上手に嘘をつけるのか”を、まず知りたかったんです」と平野監督。

ドラマなどで試合シーンが描かれる際に、例えば実際の試合では「残り5秒」という状況を、ドラマでは演出上、その何倍、何十倍もの尺にして描くことは往々にしてあることだ。

そこで、平野監督が大事にしているのが「体感時間」。

「リアルか、そうじゃないかを決めるのは、“体感時間”だと思うんです。『その5秒が、いったい何分かかっているんだ』とは思わせないよう、どう表現できるのかをずっと考えていました」

美術やVFXのスタッフらが技術的な視点から「どう撮るか」などと探っている傍らで、「僕はずっとそういうことを考えていましたね」とも。

「実際に車いすラグビーのコートの端から端まで、涼のようなプレーヤーが一気に走ると、わずか6秒〜7秒で到達してしまう。それを、ドラマでは延々と走ったり、トライ(ラグビーにおける得点方法の一つ)までの間をどう“嘘”をついて、どうドラマチックにしていくのか。皆で話し合って検証していきました」と振り返る。