オゾン層は回復したのに紫外線が増えているのはなぜ!?

 太陽から放出される有害な紫外線は、地上から約10km~50km上空の成層圏にある「オゾン層」が吸収し、私たちを守ってくれています。

 オゾン全量は、1980年代から1990年代初めにかけて減少傾向となり、その破壊の原因としてフロンガスの使用が指摘されました。これに伴い、フロンガスなどオゾン層破壊物質の使用を世界的に規制した結果、日本上空のオゾン全量は2000年代前半にかけて緩やかに増加傾向に転じました。

 直近5年間(2021年~2025年)のオゾン全量は、オゾン層破壊が問題視される以前の1970年~1980年と同程度まで回復しました。

 つまり、近年の紫外線増加の理由は「オゾン層の破壊」だけでは説明がつかないのです。

 では、なぜ紫外線量は直近も増え続けているのでしょうか。実は、大気汚染の改善が一因と考えられています。

 大気中には、ゴミやほこり、黄砂、火山灰などの微粒子が漂っており、これらが紫外線を吸収したり、跳ね返したりしています。それが環境汚染対策で空気がきれいになったことで、大気中に漂う汚染物質が減少した結果、地上に届く紫外線が皮肉にも増えてしまったのではないかと考えられているのです。

 さて、まだまだ解明されていないことは多いものの、私たちは増え続けている紫外線への対策をますます進めていく必要があります。