「今を全力で謳歌して下さい。学生の人もいれば就職している人もいますし、バイトを頑張っている人もいれば、もしかしたらニートと呼ばれている人もいるかもしれません。お互い様々な状況だと思いますが全力でその道を突き進んでください」

様々な立場で、大人の一歩、はたちの門出をむかえた参加者たち。そのひとりが、重い知的障がいがある仲村伊織さんです。
式典の前、早めに玄関を出て、伊織さんが待っていたのは…
同級生たち
「覚えている伊織?覚えている?」
訪れたのは小中学校の同級生たちです。幼い時から、ともに遊び、学んできました。

小学生からの友人 金城尋成さん
「特別扱いするなら皆で過保護にやらないといけないけど、普通にみんなで話しかけて、わちゃわちゃする感じだから、仲間かなと思います。楽しかったですよ。なんかたまに感動が生まれます、伊織がいると、ああ、友情だって」
進学や就職と、進路はそれぞれ別れましたが、はたちの式典はともに祝いたいと、伊織さんを迎えに来たのです。

写真撮影をしようとするも伊織さんの抵抗により、なかなかうまく撮れません。
Qうまく写真は撮れない?
「テンション上がっているんじゃないですか、成人式だから。いつもきれいに写真は撮れたことない、間違いなく」
「奇跡的な1枚とか、たまにあるけどな」
初めての場所は苦手な伊織さんですが、久しぶりに会う友人の車には乗りこんでいきます。
友人の仲泊さん
「伊織、たくまとかいるよ。たくま覚えている?聞いてないよ~」
そうして会場へついた伊織さん。式典が始まると、会場の一番後ろで、ヘルパーと共に話を聞きました。みんなと同じ席に座ることはできませんでした。
でも、同級生たちの視点は少し違います。

金城さん
「きょう叫ばなかったんじゃないですか、もしかして。結構本当に静かだったですよ。あんまり声を出さずに落ち着いて聞けたと思います」
仲泊さん
「結構長かったんですけど、最後まで聞いていた、後ろを向いて確認していたんですけど、ずっと座って見ていたので、いい意味で変わったなと思いました」
それぞれの成長を感じた、はたちの式典。式典が終わると伊織さんは、写真撮影を嫌ってか、すぐ会場の外へ。しかし写真を撮る、わずかなチャンスを逃すまいとする同級生たちです。
金城さん
「やっぱり写真ってその時の瞬間瞬間が残るじゃないですか、思い出としては欲しいですね」
「はいチーズ、いいね~」
これから様々な道を進む、はたちの仲間たち。進む道は違っても、その友情は途切れることなく続いていきます。