「名指し」と同列扱いが意味する異例の事態
いわゆるネタ元が7人いる一方で、日本の政府関係者も先月24日、このように明かしました。
「習近平主席は14日の首脳会談で、高市総理と、台湾の頼清徳総統の2人を名指ししたうえ、この2人が地域の平和を脅かしていると主張。さらに、この2人を支援しないようトランプ氏に迫ったということです。複数の日本政府関係者が明らかにしました」
このふたつの報道・情報を合わせると、習近平氏は「日本の話題になると、声を荒らげ、興奮した様子を見せた」、そして「高市総理を名指しして非難した」というわけです。
情報が巡るうち、発言内容の正確さや雰囲気などが微妙に変わってしまうことはあります。私が最も気になるのは「高市総理を名指しして非難した」という部分です。理由を説明しましょう。
私がウォッチしてきた限り、中国の指導層、とりわけ最高指導者は、首脳会談でその場にいない人物を批判、否定する場合、個人名で名指ししないケースが多かったです。それは大国・中国のリーダーとしての気位の高さ、詳しく言うと、格下と見なす人物の名前を挙げること自体、自らの評価を下げてしまうということだと感じてきました。たとえば、その代わりに「日本のある指導者は」とか「台湾の指導者は」という表現が用いられてきました。「名指ししないけど、だれのことかわかるでしょ」という方法です。
ということは、実際の米中首脳会談では習近平氏の口から「高市」という固有名詞は出なかったのではないか、とも考えられますが、真相はわかりません。「名指しした」ということであれば、習近平氏は歴代指導者と違い、台湾有事に関する昨年11月の「高市発言」に対する怒りが、とりわけ大きいということなのでしょう。
もう一点を挙げると、「習近平氏は高市総理と、台湾の頼清徳総統の2人を合わせて名指しした」という部分です。名指ししただけでも大きな出来事なのに、同列に並べたのが「独立を企てている」と中国が非難する頼清徳総統だということです。日本と台湾の指導者が手を組み、台湾統一を阻んでいるという認識なのでしょう。
確かに報道や情報のとおりなら、フィナンシャル・タイムズの報道にある「複数の関係者がいう『習近平氏の激しい非難は、2日間の会談の中で、最も緊迫した場面だった』」というのも頷けます。














