芸術的表現、であれば対象外?

Q 自民党PTは、「実写映画等の芸術的表現は社会通念上相当と認めるものは対象外と考えられる」と説明しています。恣意的な運用につながらないでしょうか。
福留英資 弁護士
この場合の「社会通念」とはどういうことなのか、お尋ねしたいところです。この処罰規定を創設したいと考える方々にとって許容可能な表現、ということに過ぎないのではないでしょうか。どのような意味でこれが歯止めになると考えられたのでしょうか。何の歯止めにもならないように思えます。
また、芸術的表現というのは往々にして、社会通念とは距離を置き、社会通念に挑戦する、挑戦とまで言わないとしても、見直し、ないし動揺を迫るようなものにこそ価値があるということが言えることもあるのではないでしょうか。「芸術的表現」という枠を、さらに「社会通念」という枠で狭めることに合理性があるのかどうか、芸術家の皆様のご意見を伺いたいところでもありますが、少なくとも私には疑問です。
恣意的運用の懸念については、警察による取締りの場面ではあり得るでしょう。検察官による起訴不起訴の判断、裁判官の有罪無罪の判断の場面では、判断に振幅が生じる懸念があります。