「ファッション」ではなく「ウェア」を売る. LifeWearの真髄

野村:日本でもかつては「安かろう悪かろう」の代名詞のようだった時期もありましたが、いつの間にか「ユニクロでいい」になり、今や「ユニクロがいい」へと変化しましたね。

comugi:ユニクロが30年かけて積み上げてきた実績は凄まじいものです。象徴的なのが、2013年頃から掲げている「LifeWear(ライフウェア)」というコンセプトです。「高品質なものを世界中の誰もが手に取れる価格で実現する、究極の普段着」と定義されています。ここで重要なのは、ユニクロは自らをファッションブランドとは呼ばず、「ファッションではなくウェア(衣服)である」と明言している点です。

野村:「ファッション」にはトレンドがあり、去年のものが古くなってしまいますが、「ウェア」であれば実用的かつ持続的ですね。

comugi:まさにそこがポイントです。社会全体で環境負荷への意識が高まる中、あえて「ウェア」と言い切った意義は大きいです。例えばヒートテックは、2003年の発売以来、東レと共に20年以上も素材の改良を続けています。エアリズムもウルトラライトダウンも、目に見えない進化を積み重ねて「究極の普段着」を磨き上げてきました。この姿勢が今の時代に合致したのでしょう。欧米でのリピート購入率も、4年前の4割から現在は6割にまで上昇しており、生活必需品として定着しています。