中国海警局は1日、台湾の東方海域で法律に基づく巡視を実施したと発表した。日本とフィリピンが首脳会談で域内の海洋境界に関する交渉開始で合意したことを、けん制する狙いがあるとみられる。

海警局の姜略報道官は声明で、日本とフィリピンの協議は中国の「領土主権と海洋権益」を著しく侵害しているとし、今回の巡視は必要だったと説明。「日本とフィリピンに対し、中国の主権と権益を損なうあらゆる違法行為を直ちに停止するよう求める」とした上で、海警局は「関連海域の統制と監督を引き続き強化する」と付け加えた。

中国側の動きは、台湾を巡る緊張の高まりを浮き彫りにしている。中国は台湾を領土の一部だと見なしているが、2300万人が暮らす民主主義の台湾は、中国側の主張を拒否している。

高市早苗首相と東京都内で5月28日に会談したフィリピンのマルコス大統領は、両国が境界問題に関する交渉開始で合意したと述べ、こうした取り組みが「防衛協力をさらに強化し、ルールに基づいた海洋秩序を維持するため非常に重要だ」と強調した。

中国は先週の時点で、この境界協議への不満を示していた。毛寧外務省報道官は5月29日、中国は問題の海域で国内法および国際法の双方に基づき排他的経済水域(EEZ)と大陸棚に関する権利を有すると述べ、日本とフィリピンによる協議を「違法であり、無効で、何の効力もない」と批判した。

中国海警局は過去にも台湾東方海域で巡視を実施している。中国共産党系の新聞、環球時報によると、昨年前半には海上から逃亡を図る「台湾独立派」を拘束する訓練が行われた。また、海警局は、台湾政府に圧力をかける目的で中国がここ数年頻繁に実施している台湾周辺での軍事演習にも参加している。

国営中央テレビ(CCTV)系のソーシャルメディアアカウント「玉淵譚天」は5月31日、政府系シンクタンクの中国社会科学院に所属する研究者の見解として、日本とフィリピンが協議を進めれば、「歴史的かつ前例のない対抗手段」に直面することになると警告した。

原題:China Sends Patrol East of Taiwan After Tokyo-Manila Talks(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.