“居てよしッ!”のセリフに魅せられた脚本家が、今届けたい言葉
脚本家を目指したきっかけについて兵藤さんは、「成り行きで今に至っている感じ」と笑いながら振り返る。
大学時代、「今までやってこなかったことを始めたい」という思いから、東京・青山にある「シナリオ・センター」に通い始めたことが、脚本を書く原点だったという。
「どんなに短くても、毎日書き続ける体力はそこで身についたと思います」
影響を受けた作品として挙げたのは、木皿泉さん脚本のドラマ『すいか』(2003年・日本テレビ)。
「“私みたいなものも、居ていいんでしょうか?”と言う主人公に対して、“居てよしッ!”と返すシーンが本当に印象的でした」
短いながらも力を持つ言葉に、強い衝撃を受けたという。
「こんなに短いセリフなのに、こんなに力がもらえるんだと思いました」
そんな作品を書いてみたいという気持ちはあるか――という問いには、「欲張ると良くないので(笑)」と笑顔を見せつつ、「地道につなげていった先に、そういうことがあれば」とも静かに前を見据える。
最後に、本作に込めた思いについては、「誰にとっても、何かを始める節目はあると思っています」と話し始めると、こう言葉を紡ぎ、率直な思いを口にする。
「一歩を踏み出すことで得られるものもあれば、責任を感じることもある。その全部を含めて、この物語の前向きな気持ちを受け取っていただけたらうれしいです」
脚本家として、自身の経験や取材なども通じて、視聴者の心に残るエピソードを一つ一つ丁寧に描いていった兵藤さん。その“手元に残る”セリフや、随所にちりばめられたコメディー要素にも注目しながら、物語の終盤を見届けてみたい。














