ウナギがどんどん増えていく可能性も?

ーーウナギはこれからどんどん増えていく可能性もあると?
「自然の河川でも、河口堰ができると天然のウナギは遡れなくなります。養殖ウナギといっても、天然のシラスウナギをとって養殖池に放しています。皆さんが食べているのは全て、天然由来なんですね。天然のウナギが減ると、西マリアナ海嶺南端まで行って、卵を産んでくれる天然ウナギがいなくなるので、ウナギは絶滅してしまいます。だからいまは絶滅危惧種となっています。でも、今回のことで、自然の川だけでなく、今まで見過ごされてきた人工の川などに住んでいるものも天然のウナギとして産卵場に向かってるというところもちゃんと考えて、保全や共生を考えていくべきだという一つの新しい希望の光なんですね。そうなると絶滅から救われるかもしれない。もう何年先かわかりませんけども、少し安くなったりするかも。ほかに、完全養殖もやっているんですけど、ちょっと前までは1匹1万円ほどだったのが今は1匹3000円ぐらいになってきています。でも、まだなかなか流通にのるレベルじゃないんですよね」
(2023年1月10日放送 MBSテレビ『よんチャンTV』より)
尾㟢豪 MBSプロデューサー(事業局)
京都大学農学部水産学科卒。元報道局解説委員。これまで情報番組を中心に『お魚博士』として、テレビ・ラジオで20年に渡り生き物に関するニュースを解説。2010年には、絶滅種クニマスの発見に関わり、一部始終に密着したドキュメンタリー番組『クニマスは生きていた!〜“奇跡の魚”はいかにして「発見」されたのか?〜』で、第52回科学技術映像祭内閣総理大臣賞はじめ、五つの賞を受賞。今回、道頓堀川でニホンウナギを捕獲したバラエティ番組『関西ジャニ博』には、監修として関わる。