かつては「臭くて汚い川」と知られていた大阪ミナミの道頓堀川で絶滅危惧種のニホンウナギが捕獲されました。「丸々と太ったその体形は道頓堀川がウナギ生息に適した場所であることを示している」と話すのは「MBSお魚博士」の尾㟢豪。近年進む道頓堀川の浄化の成果とみられます。天然ウナギの発見は今後、太平洋マリアナ沖に至るウナギの産卵サイクルに寄与する可能性も考えられ、将来的にウナギ価格高騰の歯止めとなるかもしれないということです。

”臭くて汚かった”道頓堀川の水質改善…最近ではアユも発見

ーー今回のニホンウナギの発見はすごいことなんでしょうか?
「ウナギが食べているカニ、エビ、小魚など食べる餌もあるということで、そこの生態系が維持されているほど、道頓堀川の生態系が良い状態であるということの証で、今回の発見はすごいことです。特に人工の道頓堀川にウナギが住んでいることがすごいことです。淀川にもウナギは住んでるんですね。淀川の水は道頓堀川に流れ込んでいて、最近も、道頓堀川でアユが発見され、水は確かに良くなっています。道頓堀川は上流と下流に水門を設けて、満潮、干潮で調整し淀川の綺麗な水が流れるようにしているんです。昔はそれがなかったので淀んでにおいが臭かったんですけど、市が一生懸命、人間の手で綺麗にしているところにウナギが住み着いてることがわかりました。また、今回のウナギを解析して、実際にウナギは何歳から何歳でどこを回遊していたウナギなのかを調べ上げて論文にしてもらっているところです。数年は(道頓堀川周辺に)住んでいたことがわかりました。前日の雨で流れてきたじゃないかと言われかねないですが、そうじゃないんだよというところまで証明したのが大事な実績。人間の手で天然に近づけた川を気に入ったというのが意味があることなんです。人間の工作物でも野生生物が住むという、今回一番意味の深いところなんですよ。人間との共生の第一歩っということですね」