震度と同じように、体感で覚える日を目指して
レベル制の導入によって気象庁が目指すのは、地震の震度と同じように、数字を聞いただけでおおよその状況が直感的に浮かぶ社会だ。
ただし長谷部さんは「1年や2年では無理」と正直に言う。「小さい頃から体験してきて、10年、20年かけて培っていくもの。それがここから始まるんだなという、重たい気持ちがある」
牛山さんは「危険性の度合いを言葉で表現するのはもう無理だと、議論を通じて感じた。数字と色の対応関係をなるべく社会に浸透させていくことが重要」と述べた。
レベルには色も紐付けられている。5は黒、4は紫。色覚に障害のある方でも識別できるよう配慮したうえで決められており、「これからは変えてはいけないもの」だと牛山さんは言い切る。
キキクルとハザードマップの確認を
新しい情報体系を使いこなすために、長谷部さんは最後にこう伝えた。
「まずレベル5は災害が起きている、または行動するのが手遅れな場合がある。レベル4の危険警報のうちに避難完了、レベル3は高齢者や妊婦など要配慮者が行動を始めるタイミング、これをまず覚えてください」
さらに1点、見落とされがちな注意点を加えた。「土砂災害の警報が出た場合、最悪1時間で次の危険警報に繰り上がる基準値になっています。ここだけは特に気をつけてください」
そして、リアルタイムの情報だけでなく、平時からのハザードマップ確認の重要性を牛山さんも強調した。「洪水や土砂災害で被災した方のほぼ9割方は、ハザードマップで危険性が示されているか、地形的に危険性があるところで被災している。まずどこでどんな危険性があるかを知ることが先決です」
新しい防災気象情報の運用は始まった。だが「定着」はこれからの長い道のりだ。数字と色が体感として刻まれていく日まで、伝える側も受け取る側も、この情報と付き合い続けることになる。
(TBSラジオ「荻上チキ・Session」2026年5月27日放送「新たにスタートする防災気象情報。何がどう変わるのか?」より)














