「建設的な戦略安定」関係とは「管理された競争」

一方で、米中両国は2国間の関係を「建設的な戦略安定」と位置付けることで一致し、対立の激化を避けることを確認した。

握手を交わす米中首脳

今年は米中の首脳が最大で年4回、顔を合わせる異例の年だ。この先も9月に習近平主席のアメリカ国賓訪問、11月に深圳でのAPEC、12月にフロリダでのG20と、最大であと3回、会談のチャンスがある。そうした状況のもと、今後も米中関係は緊張緩和が基調となる見通しだ。

トランプ氏は11月に中間選挙を控える中、イラン情勢、それに伴う原油高、国内のガソリン高の問題に追われている。去年、関税戦争を仕掛けたもののレアアースの輸出を絞られる逆襲により撤退を迫られた記憶も新しく、中国との対立を激化させる余裕はない。

一方、習近平氏も深刻な不動産不況など国内経済問題を抱える中、来年には5年に1度の共産党大会が控えている。再選に向けて、国内問題にフォーカスするためにも、短期的にはアメリカとの関係は安定させておきたい。

こうした双方の国内事情が両国の接近を後押し、今回の会談でも友好ムードが前面に押し出された。

しかし、短期的な緊張緩和は、両国が長期的な競争関係にあることと矛盾しない。「建設的な戦略安定」関係の本質は「管理された競争」に他ならない。